日産自動車は、追浜地工場で「日産安全ミーティング2005」を開催し、、新しい先進衝突実験場を報道陣に公開した。
先進衝突実験場は、主に車両同士の衝突事故における安全性の向上と、横転事故における乗員保護性能の向上を目的に導入した実験施設。
施設は、日産の安全コンセプトのセーフティ・シールドに基づいて日産テクニカルセンター内のバリア衝突実験場(車両を隔壁に衝突させる方式の実験施設)に次いで新たに導入したもの。
施設の特徴は、数々の事故事例の分析に基づいて、実際の事故により近い状況が再現できる点だ。具体的には、車両同士の衝突再現実験で、正面衝突や側面衝突のほか、衝突角度を5度刻みに185度から85度まで設定できる。さらに、進行方向を同一とする車両同士が、斜めに衝突する事故の再現も可能だ。
横転時の乗員保護に関しても、米国法規に定めたれた台車式試験に加え、同社が実際の事故に即して策定したトリップテスト、ディッチテスト、コークスクリューテストを含む合計4種類の評価ができる。
同社ではマーチ以降の車両にてコンパチビリティ対応技術を導入し、日産独自の高強度安全ボディである「ゾーンボディ」を進化させているが、今後、本施設で得られる実験結果とコンピューターシミュレーションとを組み合わせることにで、さらなる安全性能向上を目指した車両開発を行うとしている。