一連の燃費不正問題で三菱自動車工業の益子修会長兼社長は辞任するはずではなかったのか。新社長就任での続投に、国土交通省にも波紋が広がった。
きっかけは9月16日、燃費不正発覚後の三菱による再測定で、再び不正が見つかった後の会見のことだ。石井氏は「国の測定のやり方も分かった上で不正な測定方法を続けていたということは、三菱自動車工業の企業体質そのものが問われる事案」と怒った。その時、益子氏の経営責任を問われこう語ったのだ。
「益子会長、現社長につきましても日産自動車が正式に資本参加をする段階で辞任することを明確にしていると承知しております」
確かに益子氏も「新体制に引き継ぐまでが使命」と繰り返してきた。国交相をして“勘違い”してしまう事態。21日の大臣会見の関心は、その一点に絞られた。
益子氏の続投について石井は、三菱側から国土交通省には何も説明がなかったことを明らかにし、その就任理由についてはまずはゴーン会長の発言を引用し、国交省の立場は「特に(就任に)不安を持つというよりも、今後の再発防止策の徹底を厳しく確認していくという立場」と、検査の厳格化を強調。
同社の改革を「ゴーン氏がリーダーシップを確実に発揮し、益子社長が社内をよく知る立場からゴーン会長のリーダーシップをしっかり支えていくことを期待する」と、述べた。
ただ、これまでの燃費不正問題については「会長兼社長である益子氏の責任は当然大きいものがある」と断じて、「この責任を十分踏まえれらた上で、社内をよく知る立場から会長のゴーン氏をしっかり支え、再発防止の徹底をしっかり図っていただきたい」と、くぎを刺した。