JR各社、来年3月ダイヤ改正の概要を発表…東京~函館間は約50分短縮

鉄道 企業動向
JR各社は来年3月26日に実施するダイヤ改正の概要を発表。北海道新幹線の開業により東京~函館間は約50分短縮される。
  • JR各社は来年3月26日に実施するダイヤ改正の概要を発表。北海道新幹線の開業により東京~函館間は約50分短縮される。
  • 北陸新幹線は『はくたか』の停車駅見直しによる所要時間の短縮などが行われる。
  • 東海道新幹線ではN700A(写真)の増備やN700系の改造工事完了に伴い、最高速度285km/hの『のぞみ』『こだま』が増える。
  • 北海道新幹線の開業に伴い在来線の『スーパー白鳥』『白鳥』『はまなす』『カシオペア』が廃止される。写真は『スーパー白鳥』。
  • 北海道新幹線の開業に伴い在来線の『スーパー白鳥』『白鳥』『はまなす』『カシオペア』が廃止される。写真は『はまなす』。
  • 『カシオペア』も北海道新幹線の開業に伴い廃止される。
  • 『スワローあかぎ』『あかぎ』は全ての列車が651系で運転される。
  • 中央本線の特急『しなの』は大阪発着の列車が廃止される。

JR各社は12月18日、2016年3月26日に実施するダイヤ改正の概要を正式に発表した。北海道新幹線の新青森~新函館北斗間が開業し、東北・北海道方面を中心に輸送体系の変更が行われる。

ダイヤ改正にあわせて開業する北海道新幹線では、1日13往復の列車が運行される。このうち10往復は、東北新幹線から北海道新幹線に直通して東京~新函館北斗間を結ぶ『はやぶさ』。他に仙台~新函館北斗間の『はやぶさ』1往復、盛岡~新函館北斗間の『はやて』1往復、新青森~新函館北斗間の『はやて』1往復が、それぞれ設定される。

東京~新函館北斗間では、下り2本と上り1本の『はやぶさ』が最短の4時間2分で結ぶ。函館本線の新函館北斗(現在の渡島大野)~函館間のアクセスを含めると、東京~函館間の所要時間は最短4時間29分。現在の『はやぶさ』と在来線特急『スーパー白鳥』の乗継ぎより53分短くなる。一方、『はやぶさ』と在来線特急『スーパー北斗』の乗継ぎによる東京~札幌間の最短所要時間は、現在より1時間23分短い7時間44分になる。

東北新幹線では、盛岡発東京行きの上り『はやて』2本をE5系単独編成の『はやぶさ』に変更し、最高速度を現在の275km/hから320km/hに引き上げる。上越新幹線では、『とき』の東京~新潟間の平均所要時間を1分短縮して2時間6分にする。

北陸新幹線の平均所要時間も、東京~金沢間では『かがやき』が1分、『はくたか』が2分、それぞれ短縮される。東京~長野間の『あさま』は1分短縮される。このうち『はくたか』は、上越妙高以東の停車駅を一部見直し、列車によっては最大16分の短縮に。また、『はくたか』『あさま』の長野駅での接続を見直し、日中は下りが『あさま』から『はくたか』へ、上りが『はくたか』から『あさま』へ5分程度で乗換えできるようにする。上り東京行きの最終『はくたか578号』は約30分繰り下げられ、金沢発が20時17分になる。

東海道新幹線では、N700A電車の増備やN700系電車の改造工事完了に伴い、最高速度285km/hの『のぞみ』『こだま』が増える。これにより、早朝・深夜の『のぞみ』3本の所要時間が3分、『こだま』5本の所要時間が1~4分短縮される。日中に設定されている臨時『のぞみ』の一部も所要時間を3分短縮し、日中の『のぞみ』としては最短の2時間30分になる。また、東京着22時台の臨時『のぞみ』を増発し、1時間に最大10本の『のぞみ』を運転できる時間帯を拡大する。

九州新幹線では、朝ラッシュ時に運行している『つばめ』で車両や時刻の変更を実施し、着席機会の向上などを図る。

■本州~北海道の在来線特急や大阪発着『しなの』など廃止

在来線の特急・急行列車は、北海道新幹線の開業に伴い本州~北海道間の列車が見直される。新青森~函館間の特急『スーパー白鳥』『白鳥』、青森~札幌間の急行『はまなす』、上野~札幌間の臨時寝台特急『カシオペア』が廃止され、青函トンネルを走行する在来線の定期旅客列車が消滅する。このほか、東北地区では特急『つがる』も一部の列車で運転を取りやめる。

首都圏では、高崎線の特急『スワローあかぎ』『あかぎ』が全て651系電車に置き換えられるほか、新宿21時29分発の特急『スワローあかぎ13号』(土曜・休日は『あかぎ13号』)が廃止。特急『草津』は長野原草津口~万座・鹿沢口間の運転を取りやめる。

中京圏では、中央本線の特急『しなの』のうち、東海道本線に乗り入れて大阪~長野間を直通している1往復が大阪~名古屋間の運転を取りやめる。高山本線の特急『ひだ』は富山駅での北陸新幹線との接続を考慮し、富山発9時52分発の高山行き『ひだ8号』を新設するとともに、富山15時10分発の名古屋行き『ひだ18号』は運行区間を高山~名古屋間に短縮する。

関西圏と北陸方面を結ぶ特急『サンダーバード』は1往復、関西空港アクセス特急『はるか』は6往復、それぞれ増える。岡山・高松~松山間の四国特急『しおかぜ』『いしづち』は、新型の8600系特急形電車を投入。これにより『しおかぜ』は全ての列車が電車になるため、宇和島方面の非電化区間に乗り入れている『しおかぜ10号』の始発駅と『しおかぜ21号』の終着駅を宇和島駅から松山駅に変更する。

九州の在来線特急は、別府~熊本・人吉間で運行されている『九州横断特急』が別府~熊本間のみの運行になり、熊本~人吉間での運行を取りやめる。熊本~人吉間の特急『くまがわ』も運行を取りやめる。これに伴い、熊本・八代~人吉間に上下8本の快速列車が設定。人吉~吉松間で上下4本が運行されている普通列車『いさぶろう』『しんぺい』は、上下2本の運行区間が熊本~吉松間に拡大される。

貨物列車は、関東~関西間に速達タイプのコンテナ列車(24両編成)を上下各1本新設。列車1本あたりの輸送力は12フィートコンテナ120個分になる。このほか、首都圏周辺エリアから九州方面への輸送力の増強なども行う。

《草町義和》

【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース

特集