JR「フルムーン」、盛岡~青森間の通過利用特例なくなる…『北斗星』廃止で

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「フルムーン夫婦グリーンパス」はJR全線のグリーン車が利用できる。写真は北陸新幹線『かがやき』『はくたか』のグリーン車。
  • 「フルムーン夫婦グリーンパス」はJR全線のグリーン車が利用できる。写真は北陸新幹線『かがやき』『はくたか』のグリーン車。
  • JR以外の鉄道路線は原則として利用できないが、あいの風とやま鉄道(写真)の富山~高岡間など一部の区間は通過利用に限り利用できる。
  • 「フルムーン夫婦グリーンパス」は寝台特急『北斗星』の廃止に伴い、今期発売分から盛岡~青森間の通過利用特例がなくなる。

JR旅客6社は8月19日、「フルムーン夫婦グリーンパス」を今期も発売すると発表した。2人の年齢の合計が88歳以上の夫婦を対象にしたJR全線のフリー切符で、グリーン車も利用できる。

今期発売分の利用期間は、10月1日から2016年6月30日までの連続した5・7・12日間。ただし12月28日~2016年1月6日、3月21日~4月5日、4月27日~5月6日の各期間は利用できない。JRの鉄道線とバス高速輸送システム(BRT)、JR西日本宮島フェリーが利用できる。

利用できる列車は『のぞみ』『みずほ』を除く新幹線と在来線の特急・急行・快速・普通列車。座席はグリーン車と普通車、B寝台車が利用できる。グランクラスとDXグリーン、特急グリーン個室、A寝台個室、B寝台個室、ホームライナーなどは運賃のみ有効で、それぞれの列車に対応した特急券やグリーン券、寝台券、乗車整理券などを別に購入する必要がある。

JR以外の鉄道路線は原則として利用できないが、青い森鉄道線の青森~八戸・青森~野辺地・八戸~野辺地各区間は、快速・普通列車で通過利用する場合に限り利用できる。あいの風とやま鉄道線の高岡~富山間も普通列車による通過利用特例が設けられており、IRいしかわ鉄道線の金沢~津幡間は普通列車のほか特急列車でも通過利用が可能だ。

切符は夫婦2人の年齢が88歳以上の場合に利用できる「一般用」と、合計88歳以上で夫婦のどちらか一方が70歳以上の場合に利用できる「シルバー用」の2種類ある。発売額は一般用の5日間用が8万2800円、7日間用が10万2750円、12日間用が12万7950円。シルバー用は一般用の5000円引きとなる。

発売期間は9月1日から2016年5月31日まで。利用に際しては健康保険証など年齢を証明できる公的な証明書が必要になる。シルバー用は購入に際しても公的証明書を提示する必要がある。

「フルムーン夫婦グリーンパス」は従来、上野~札幌間の寝台特急『北斗星』を利用する場合に限り、IGRいわて銀河鉄道・青い森鉄道線の盛岡~青森間を通過利用することができた。今期発売分では『北斗星』が廃止されたため、盛岡~青森間の通過利用特例がなくなっている。また、JR旅客6社は本年度末に予定されている北海道新幹線新青森~新函館北斗間の部分開業に伴い「きっぷの効力が変更となる場合があります」としている。

《草町義和》

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