液化水素運搬船の基準検討へ、極海コードの安全要件を義務化

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IMO海上安全委員会、極海コードを策定へ
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国際海事機関(IMO)第94回海上安全委員会(MSC94)が英国ロンドンで開催され、燃料電池車の燃料となる水素を効率的に輸送する体制を構築するため、液化水素運搬船基準を検討することで合意した。

現在豪州で水素を製造し、これを液化し日本に輸送するプロジェクトが計画されている。これらプロジェクトを実現するためには、ばら積み液化水素運搬船の安全基準策定が必要となる。

日本は、基準策定のために日豪間で協議してきたが、早期にIMOでの国際基準策定の作業を開始するため、液化水素運搬船の安全基準の検討を始めることを日豪で共同提案したところ、今回の会合で承認された。

IMOで液化水素運搬船の安全基準を2016年までに策定する作業が開始される。

また、IMOでは、北極海と南極海を航行する船舶の安全確保、極海の環境保護を目的に、極海特有の危険性を考慮した船舶の船体構造、復原性、防火・救命設備、航海用具、無線通信、海洋汚染防止に関する技術基準を極海コードとして策定する作業を行ってきた。

今回、極海コードの安全要件を義務化するため、海上人命安全条約(SOLAS条約)附属書の改正案を採択、2017年1月1日に発効する。

このほか、天然ガスを燃料とする船舶は、排気ガスがクリーンでノルウェーなどで導入が進んでいる状況を踏まえ、2009年11月にはIMOで天然ガス燃料船の安全確保のために「天然ガス機関を使用する船舶の安全に関する暫定ガイドライン」が策定された。

今回、ガス燃料船コードの安全要件を義務化するためのSOLAS条約改正案も承認した。

《レスポンス編集部》

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