JR東海は3月14日、中央新幹線東京都~名古屋市間のうち、いわゆる「大深度地下」に線路を建設する部分について「大深度地下の公共的使用に関する特別措置法(大深度法)」に基づく「事前の事業間調整」を行うと発表した。
土地の権利は原則として地下や空中にも及ぶが、2001年に施行された大深度法では、原則として地下40mより深い大深度地下の公共使用について、土地の権利者などへの補償を不要としている。この場合、事業者は対象地域において大深度地下使用の認可を受けなければならない。
「事前の事業間調整」は、認可申請手続きの準備に相当する手続きとなるもの。JR東海はこの手続きの一環として事業概要書を作成し、3月14日付で国土交通大臣に送付した。事業概要書は3月17日に官報で公告され、公告日から30日間、JR東海の環境保全事務所と関係自治体の施設で縦覧できる。
事業概要書によると、事業区域の全長は首都圏が約35km、中部圏が約20km。首都圏は東京都品川区北品川3丁目の新八ツ山橋付近から東京都町田市小山町の長泉寺付近までが大深度地下の事業区域となる。中部圏の事業区域は、愛知県春日井市明知町の国道19号と西洞川が交差するあたりから名古屋市中区丸の内1丁目の景雲橋付近まで。地表面からの深さは両区域とも約40~100mとしている。
JR東海は今後、大深度地下使用の認可申請に向け、事業区域が大深度地下にあることを確認するための地質調査や関係機関との調整などを行う方針。申請は全国新幹線鉄道整備法に基づく工事実施計画の認可後に行う予定としている。