東日本以外のJR5社は一律10円単位で申請…東京~新大阪間「のぞみ」は400円値上げ

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JRグループの旅客6社は12月12日、消費税率引上げ(2014年4月1日)に伴う運賃・料金の変更認可を国土交通大臣に申請した。JR東日本がICカードを1円単位、切符を10円単位とした「二重運賃」を申請したのに対し、他のJR5社は一律10円単位での申請となった。

5社の普通旅客運賃は、消費税相当額を除いた税抜き運賃に1.08を乗じ、円単位を四捨五入して10円単位とする。普通旅客運賃以外の運賃や料金は、現行の運賃・料金に105分の108を乗じ、円単位を四捨五入して10円単位にする。ただし、以上の方法で運賃・料金を算定すると、JR北海道とJR東海、JR西日本は改定率に対し収入が不足することから、一部の運賃や料金で切り上げなどによる調整を行う。

JR東海の場合、東海道新幹線内の自由席特急料金のうち掛川~新大阪間を除く現行3980円の区間と、金山~尾張一宮間などの特定普通運賃、岡崎~名古屋間などの特定定期運賃について、切り上げによる端数処理を行う。JR西日本は、電車特定区間と大阪環状線内の普通旅客運賃、特定区間の普通旅客運賃、新幹線の隣接駅間の特定特急料金などの一部について、端数の切り上げや切り捨てによって調整する。

一方、JR四国は改定率を超過することから、普通旅客運賃の一部の額を引き下げて調整する。JR九州も同様に超過するため、一部の特急料金などの端数を切り捨てて調整する。

JR東海の申請運賃によると、大人が東海道新幹線東京~新大阪間で『のぞみ』を片道利用する場合、運賃は8750円、『のぞみ』指定席特急料金(通常期)が5700円で、計1万4450円。現行運賃・料金(1万4050円)に対し400円の値上げになる。

国土交通省は10月、増税分を正確に反映できる1円単位運賃を認める方針を示しており、JR東日本も1円単位運賃が比較的導入しやすいICカードに限り1円単位運賃を導入する内容の申請を行った。これに対して他のJR5社は、JR東日本に比べICカードの普及率が低いなどとして1円単位運賃の導入を見送り、ICカード・切符共通の運賃を10円単位で申請した。

《草町義和》

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