三菱ふそうトラック・バスの大型トラック、新型『スーパーグレート』は、ディーゼル車の排ガスに含まれる有害物質、NOx(窒素酸化物)をアンモニアと反応させて窒素と水に還元する尿素SCRを搭載している。
尿素SCR方式はNOx対策の面では非常に効果的だが、尿素水を適宜補給する必要がある。新型スーパーグレートの場合、尿素水「AdBlue」をどの程度の頻度で補給することになるのだろうか。
「燃料タンク容量300リットルに対し、AdBlueタンクは33リットル。運行状況によって若干の変動はありますが、おおむね燃料の満タン補給2回に対し、AdBlueを1回補給することになります」(AdBlueの供給を担当する部品販売部・中澤大氏)
新型スーパーグレートAdBlueの消費量は、軽油の5%程度という計算になる。これは日本における尿素SCR方式の先発メーカーで、三菱ふそうに同技術の技術供与を行っている日産ディーゼルとおおむね同レベルで、世界のトレンドと比較すると少し多いイメージだ。
新型スーパーグレートのような大型トラックの燃費は、走行の大半を占める高速巡航時でリッター4km前後。渋滞や一般道走行部分を考えると、1回の燃料補給での航続距離は1000km程度と考えられる。その場合、AdBlueの補給頻度は2000kmごととなる。AdBlueの実勢価格は現在、1リットルあたり約100円と、軽油より若干安い。
AdBlueの補給は、トラックステーションや三菱ふそう、日産ディーゼルのトラック販売店など全国1500カ所で対応する。車体寸法や重量が大きいトラックは、もともと普通の給油スタンドには進入できず、トラックステーションで給油するのが普通。補給拠点が限定的であっても、実際の使用過程でAdBlueの補給を受けられないケースはまずないというわけだ。