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クルマからのCO2を減らすには?
クルマのパーソナル化は環境にプラス?
伊東 乗用車の台あたり平均乗車人数は、1.5人を下回り、乗用車は“パーソナル化”しつつあります。地方では、一家に3〜4台など複数台保有世帯も多く、パーソナル化は、総走行距離やCO2を増やす要因になります。

森口 そうですね。でもパーソナル化を進めてしまったほうが、環境に良い部分があります。現在の典型的な複数台保有は、ミニバンと小さなセカンドカーの組み合わせ。だんなさんはミニバンを通勤にも使っています。ミニバンにふさわしい使い方をしていないわけです。

パソコンなら、出かける時はノートPCです。ミニバンの通勤は、デスクトップPCを持ち歩いているようなものです。車は、駐車場や保有コストが高く、パソコンほど用途に合わせた使い方ができない。一人一台が必要な場面でも、必ずしもぴったりの車にはならない。

伊東 近距離の移動、いわゆる“ちょい乗り”も燃費がかなり悪くなると思います。

森口 一度に走る距離が短いほど、燃費は悪くなります。近所の買い物や送迎、このような使い方は、燃費がとても悪くなります。こまごました使い方は、距離を走らないわりに燃料を使ってしまいます。
マイカーのエコドライブは普及する?
伊東 燃費を決める3要因、燃費性能、運転方法、渋滞のうち、国民一人一人に働きかけるには、運転方法、つまりエコドライブが有効です。政府もエコドライブ普及に積極的になってきました。

森口 最近、燃費計の付いている車が増えました。燃費計は、どんな運転をすると燃費が良くなるか、悪くなるか実感できます。

伊東 加速の時、瞬間燃費がとても悪くなるようです。

森口 急発進、急加速を控えるだけで10%ほど燃費が良くなるようです。トラック事業者は、燃費計を積み、ドライバー教育をして、コスト削減にも繋げているようです。

伊東 マイカーにエコドライブは普及するでしょうか。

森口 ドライバーは、一人一人、運転感覚が違います。あるドライバーは、前の信号が赤になった時、アクセルをゆるめ惰性で走れると思っても、うしろのドライバーが迷惑に思うかもしれない。こういった経験は少なくないと思います。

実は、急加速をしようがしまいが、到着時刻はあまり変わらないのです。問題は、多くの人が理解するかどうかです。ドライバーの運転感覚が違うままで、事故になったりしたら大変です。道路が5車線ぐらいあれば、こっちの車線は“ゆっくり加速車線”などとできるのですが。
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