――日本は22万4000台という今年度の計画をクリアして、06年度からは新モデル投入も徐々に増やす計画です。
益子 06年度は9月ごろから軽自動車の『eK』、そして『パジェロ』のそれぞれ次期モデルを発売します。さらに07年に入ってからですが、11年ぶりくらいになる『デリカ』のモデルチェンジも行います。同時に販売会社の統合整理、あるいはバックオフィスの統合といった合理化も進めており、グループとして開発・生産・販売というコアに集中できるよう体制を整えています。
――国内の生産体制では岡崎工場の生産停止を延期していますが、今後、どう位置づけていきますか。
益子 延期を決めた時に申し上げたのは、新車の立ち上げを水島製作所で行うので、(岡崎からの)移管による品質や生産開始の遅れなどの混乱を回避したいということでした。混乱すれば、再生初年度で取り返しのつかないことになる。結果的に水島は計画を大幅に上回る生産レベルになり、輸出モデルも含め生産が間に合わない状況になりました。計画どおり移管していたら、水島でこれだけの生産はできなかったわけですから、延期は間違っていなかったということです。
3月までは季節要因もあって水島の生産は高水準だし、4−6月も相当高くなると見込んでいます。では、水島のオーバーフロー分はどうするのだとなりますが、どこかでカバーするといってもお金がかかるわけですから簡単ではありません。一方で、余剰能力は岡崎だけでなく海外でもあるというのが実態ですから、今、色々な(生産再配置の)ケースを検討しています。どこで何をするという結論は出ていませんが、水島ではもう増産はできないということだけは明確です。海外を含めて、どこで補うか。岡崎も候補のひとつであり、経済合理性で判断します。
――岡崎の量産停止という考え方は変わったということですか。
益子 環境が変わっているということです。一番いいのは、やはり販売台数が積み上がってくることです。客観的に見ても、足りないということになれば……。しかし、全世界的に見れば、まだ過剰なわけです。
インタビュアー:池原照雄(経済ジャーナリスト)
写真:竹内征二
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