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最高益が見えてきた?
――第3クォーター(05年10−12月期)には連結営業損益が16億円の黒字に転換しました。

益子 黒字は03年の1−3月期以来です。第4クォーターも黒字を確保し、下期を通じて黒字になる。営業利益は会社の収支の基礎なので、(黒字転換は)第1歩かなと思っています。

――再生計画では今年度の営業損益の赤字が140億円。第3クォーターまでの赤字は181億円なので達成は確実ですね。

益子 達成といっても赤字は赤字ですから……。残り1カ月余りをやり遂げて少しでも積み上げ、06、07年度につなげたいですね。

――最終損益で06年度は80億円に黒字転換、そして07年度は過去最高の410億円を確保というのが再生のシナリオです。道筋が少し見えてきたのでは。

益子 見えてきたというより、05年度の延長線上にあるものなので、まず今年度を確実にやらねばなりません。最高益というのは相当高い目標なのです。過去最高益を確保した当時は、トラック部門があり、しかもそこが安定的な収益を確保していました。だから、並大抵の目標ではないのです。逆にそれをやり遂げることが再生につながる。今から大丈夫と気を緩めることはできないし、ひとつずつ達成して進んでいくことです。

――海外では豪州と米国が、やや苦戦しています。

益子 若干、手間取っています。米国は今年1月、現地法人(北米三菱自動車)に日本人のトップを派遣しました。日本本社の危機感を共有してもらうという狙いです。そのウェートから見ても米国の再生なくしては、全体の再生もないわけだから、エース中のエースの人材(春成敬氏)を投入しました。豪州は3.8リットルの新モデルを出しましたが、普通車はやはり原油高の影響で少し苦しんでいる。

一方で、欧州や中近東、中南米、アフリカ、ASEAN地域などが大変健闘してくれており、米国と豪州をカバーしているという実情です。ロシアも三菱車の評価が高く、昨年は4万台弱で日本メーカーでは2番目でしたが、今年は5万5000台から6万台くらいは行けそうです。


インタビュアー:池原照雄(経済ジャーナリスト)
写真:竹内征二
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