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陶山 ITS、マルチメディアの分野では?
高木 『ITS世界会議』。台風もあり盛り上がらなかったようで、私は期待はずれでランクイン。開会セレモニーは空回り。業界イベントを民間イベントに載せ替えようとする努力は認めますが、会議の内容と無関係の演出だったような。三浦、佐藤、石田の現地取材班はいかがでしたか?
三浦 いや、名古屋には自動車業界関係者が多い。一般公開日にはすごい列が出来ていた。学生も本気で来ていた。彼らはこれからはITS抜きに自動車を考えられなくなるよ。トヨタとしてITSの次の世代を勉強させたい、という意味で成功したね。
佐藤 誰もが言ったのは、「ITSの目的は死亡者ゼロ」。
三浦 そうなんだよ。始まる前までは「環境負荷を軽減」がテーマで、そして05年の愛知万博とからめたかった。前回のスペイン会議のテーマが「安全」だったので、愛知名古屋は「環境」で行きたかったという事情もあったんだけど、開けてみれば「死亡者ゼロのITS」になっていた。
石田 技術的なトピックはあまりないけれど、世界中の取り組みを発表し、誰にでも触れられるようにしたのは意味がありましたよ。ITSワールドとかね。
金澤 ユーザーが身近に感じるのは『ETC』でしょう。
高木 ETCにかぎってSA/PAで出入りできる『スマートIC』が始まりました。実験ですが。『モバイル放送』なんてのもありました。車載機発売延期で、これも失敗した例かな。
陶山 三浦さん、『高級車』と『IT』との関係は?
三浦 うん、今の高級車はITS標準装備という時代になっているんだ。高級車はブランドイメージで売る。ブランドイメージのなかでもスポーティさと先進性は重要なんだ。でもそれによってクルマが売れているかどうかは疑問だね。
石田 つけてない人は多い。
三浦 だからオプションで設定している。本体が高いクルマだからオプション増額でも総額の中に吸収しやすい。技術的にはセンサー類がもともとついているのも利点だ。
高木 キャデラックのナイトビジョンは撤退ですが?
三浦 あれは形が見えるだけで、そこを注目するからかえって危険になる。ホンダでは人だけを解釈して音で知らせる。その音が鳴った瞬間だけドライバーは気を遣えばいい。運転中という特殊な状況でインターフェイスが重要なんだ。
高木 記者から『ブルートゥース失速』という推薦があります。ゆっくりと普及は進んでいるように見えますけど実際はどうなんですか。
三浦 03年時点で期待していたブレイクは訪れなかったということだよ。
■iPodがブレイク、05年にはじける
陶山 『iPod』を車載ミュージックプレイヤーとして使うアダプター類が出てきましたね。
三浦 アルパインが04年の年明に発表、北米でヒット。ヘッドユニットとiPodとの間に挟む100ドルぐらいのユニットなんだ。iPodはビジネスにも、音楽利用シーンにも大変化をもたらした。iPodはコピーコントロールCDも使えない物にしてしまった。ユーザーは曲をitunesでどんどん取り込みたいからね。ようやく音楽業界がデジタルに対応した、と。
金澤 それとは別に、iPodの成功は史上最高のヒット商品となっている。
三浦 賢いんだ。パソコンの中から曲を自動チョイスして取り込んでくれる。聞く頻度とか、そういったパラメーターも変更できる。いっぽうで、DJというかミキサーとしてiPodは最高。
佐藤 そのわりにはカーオーディオメーカーの動きが遅いですね。CDチェンジャーに代わるものとして普及させて欲しいのに。
三浦 だから05年に日本ではじける。
金澤 クルマに乗せるものとしてはコネクターとインターフェィスが必要ですよね。
三浦 アルパインには独特のインターフェイスがあるらしい。
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