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――三菱自動車と三菱ふそうトラック・バスのリコール隠蔽問題はどのように受止めていますか。
小枝 大変深刻な問題と考えています。日本でようやく定着してきたリコール制度ですから、お客さまからの信頼を失うようなことになってはなりません。三菱(2社)さんには問題をすべて出し切って、自らの努力で信頼回復に努めて欲しいですね。
リコール制度は30数年をかけてユーザー、官庁、メーカーそしてマスコミを含めて確立されてきたものです。マスコミには中立的に情報をユーザーに伝達して頂いています。事故を防止するという大変貴重な制度であり、メーカーは不具合の把握などプロセスを透明にし、ユーザーの方に速くお知らせするよう努めてきました。今回は途中のプロセスが適切でなかったということであり、真摯に受止めてそこを直して欲しい。
――リコール制度そのものに問題はないのでしょうか。
小枝 リコール制度が崩れている、機能不全に陥っているとは思っていません。今回のような問題が起きるとお客さまからのペナルティも大きいわけですから、その点でも機能するようになっています。チェック体制を直すべきなら自工会も参画して充実させたいと考えています。
官庁がおかしいという指摘も一部にあるようですが、そうではないと思います。リコールはあくまでもメーカーの責任で行うものであり、監視を強めることも必要ですが、限界はあります。また、認証制度があるので、認証したら官庁の責任というのも筋違いです。リコールは使用過程での問題なのですから。
――「短中長」の「中」はどんなテーマでしょうか。
小枝 宗国さんから引き継いだ安全と環境への取り組みです。昨年1月に小泉首相が7700人の交通事故死亡者を10年間で半減させようとの目標を掲げられたことは大変いいことで、自動車業界としても積極的に取り組んでいく所存です。技術的にもまだまだクルマの機能を向上させることができると思います。
環境については排出ガス規制に適合させるのはもちろんですが、産業としてのCO2(二酸化炭素)排出に関する2010年目標を達成しなければなりません。
日本での自動車生産については1000万台くらいを維持し、急激に減少することのないようにすることです。モノづくりは、日本企業のDNA(遺伝子)ですから、これを大切にしていく。私は日本の自動車産業を残したいのです。残ることになるでしょうが、(日本メーカーの)本社が北京や米国に移るということでは困ります。
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日本自動車工業会 http://www.jama.or.jp/ |
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