――商品面で軽自動車の方向はどうなるのでしょう。燃費も決して良くないということで、最近では環境対応技術にも力を入れていますね。
津田 具体的な課題としては、小型車に負けている燃費、それから価格もあります。ちょっと贅沢なクルマになり過ぎたという議論もありますし…。やはり軽は軽なりの価格帯で、機能重視で、かつお客様が嬉しくなるようなプラスアルファの機能なりデザインが欲しいということでしょう。ただ、移動するためだけではつまらない。そこで機能をユーザーの方が求められるものにまとめあげ、経済性という点では環境問題にも関係する燃費を徹底して良くすることが第1です。
――さまざまな可能性も追求してほしいですね。
津田 そうですね。軽のトップメーカーとして「軽自動車というのはこういうのもある」という提案ですね。『ツイン』もひとつのケースとして評価していただきたいということです。(小さな)サイズだけでなく、ハイブリッドもセットした。軽に必要な環境技術としてどう評価していただけるのか、あらゆるコンセプトから技術、モノづくりまで含めた新しい提案を出すのがスズキの軽自動車の領域における位置だと思います。
――環境対策という点ではトヨタ自動車の技術が生かせるダイハツ工業が有利のようにも見えますが。
津田 環境では、超先端にある燃料電池技術からその前にあるいくつかの技術まで、私はトータルで見ています。技術開発というのはあるブレークスルーができた瞬間にドーンとレベルが上がりますよね。それは「乞うご期待」じゃないでしょうか。ダイハツさんにはトヨタさんがついている、スズキにはGMがついていると考えればいいので、私は技術の流れも把握していますし、おっとりと構えています。
――軽自動車については、依然として税制が議論になることもあると思いますが。
津田 これは長年の議論の経緯を全て鈴木会長が知っていますので、会長マターにしています。私はどんな時代が来ても、いいクルマを出し続けるということで全責任を負う。CEO(鈴木会長)とCOOの役割分担です。
インタビュアー:池原照雄(経済ジャーナリスト)
写真:長野浩之
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