特徴の「マルチパフォーマンス」の一部分を切り捨てて、さらに走りを追求したという、日産『GT-R スペックV』。イメージ的に余裕のなさそうな車内の上、乗る人を選びそうな専用カーボンバケットシートなど、大柄な人が問題なく乗れるのかどうか気になるところ。180cm+・90kg+の巨漢記者が身体で実測してみた。
ディメンションはノーマルのGT-Rと同じスペックV。ただし、もとから車高が1370mmしかないため、乗り込む時は座高が約1mある記者だと頭をぶつけそうに見える。しかしシート高自体が低いので、思ったよりすんなりと乗り込めるようだ。座ってしまえば狭いようなことはなく、高さも横幅も空間的に気になることはなかった。
ステアリングポジションに関しても特にヒザ周りと干渉するようなこともなさそうで、無理せずドライビングできそう。足下も普通にスペースがある。なお、フロントウィンドウからの眺めはさすがに上下に狭さを感じ、視点も低い。
気になったのは、やはりスペックV専用に開発されたカーボンバケットシート。正直、記者のお尻はサイズが大きいようで、ハマっていない感じがするのだ(ノーマルのGT-Rに乗った時にはあまり感じなかった)。可能ならもう少し大きいサイズも用意してもらいたいところだが、これでも大丈夫なのだろうか。
なお、シートはカーボン製といっても、当たり前だが素材剥きだしでガチガチに硬いわけではない。シートバックの角度調整を簡単に行えない点は、走りを追求した設計なので仕方がないのだが、少し不便に感じてしまう。つまみを一生懸命回して角度を少しずつ変えていくという仕組みである。
助手席は、やはりスペックV専用カーボンバケットシートなので、大柄だとお尻がハマらない感じがするはず。ただし、頭上も足下も左右幅もスペース的にはどこにも問題を感じないので、普通に走っている分には意外と楽に座っていられそうだ。