三菱は南米で行われている「ダカールラリー」に新型『レーシングランサー』で参戦中。三菱チームのエースドライバー、ステファン・ペテランセル選手はダカールラリー開幕を前に、レーシングランサーと市販仕様の『ランサーエボリューションX』の比較試乗を楽しんだ。
三菱が満を持して投入したレーシングランサーは、2008年までの『パジェロエボリューション』に代わるマシン。最大の特徴はディーゼルエンジンを搭載する点にある。
3.0リットルV6ディーゼルユニットは合計4個のターボチャージャーで過給。V6エンジンの片バンクに大小2個ずつのターボが装着され、低回転域と高回転域で2つのターボを使い分ける。最大出力260ps以上、最大トルク66.3kgm以上のスペックを発揮するという。
一方、欧州仕様のランサーエボリューションXは、最強グレードとして「FQ-360GS」を用意。2.0リットル直4ターボは最大出力359ps、最大トルク50.2kgmを発生。0-100km/h加速4.1秒、最高速度248km/hの実力を誇る。
実はペテランセル選手、熱烈なランサーエボリューションのファンであり、自らエボVI、エボVIII、エボIXの3台を所有している。それだけにこの日の比較試乗を楽しみにしていた様子。
試乗を終えたペテランセル選手は、「エボXは最高に楽しいマシン」とコメント。とくに、ツインクラッチSSTに感銘を受けたようで、「スポーツ、スーパースポーツ、オートの3モードで車の性格が変わる。スポーツ性能と日常の快適性能を見事に両立しているスポーツカーは、他にない」と絶賛した。
残念ながら、ペテランセル選手は9日の時点でエンジントラブルによりダカールラリーをリタイア。全4台のレーシングランサーのうち、残る1台が三菱チームの大会8連覇を目指して激走している。