大型特殊車両メーカーの日立建機は14日、ショベルローダに不正な改造や架装を行い、保安基準不適合の状態で車両を納車していたことを国土交通省に報告した。
対象台数は、同社がショベルローダを製作し始めた1971年10月から2008年8月までに製造・販売された367台で、ほかに不正改造の有無を確認中が283台、使用者を特定中が161台ある。国土交通省は同日、同社に対し、改造部品の取り外しや対策部品への交換など早期の車両改修と、再発防止を図るための業務改善を指示した。
不正な改造は、ショベルローダの新規検査受検後に、手すりや昇降ステップ、作業灯などの部品を装着したり、バケット置き台の補強・改造などを行うことにより、保安基準で定める車幅を超過していたり、実際の車両総重量が自動車検査証の記載重量を上回る状態で納車していたというもの。
昨年6月に社外からの匿名電話で情報が寄せられ、調査したところ、不正が判明した。なかには、本来なら総重量13tのところ実際には約14tへと約1tも重量が増えているものや、車幅が約6 - 7cm基準を超過しているものがあった。
同社では「順法意識の不足と適合性に対する知識不足、確認不足が原因。このようなことを二度と起こさないよう再発防止に努めたい」(有田勝利副社長)と話している。