アルファロメオの新型コンパクトカー『MiTo』のスタイリングは『8Cコンペティツィオーネ』の意匠を継承したもので、ブランドゆかりの地アレーゼのスタイリングセンター主導で作業が進められた。これは量産モデルとしては2000年の147以来である。また今回の発表イベントもフィアットグループの本拠地トリノではなく、ミラノ中心部のスフォルツェスコ城を舞台にして行なわれた。フィアットグループはMiToで、近年のアルファロメオ高級化で離れていった若いアルフィスタの掘り起こしを図る構えだ。とくにイタリア市場ではBMWグループ『MINI』に流れてゆく顧客を食い止める持ち駒を、ようやく手に入れたといえる。なお、『147』の後継車となる5ドア小型車は2009年発表の予定だ。ちなみに、アルファにしてはあまりに非力な78馬力仕様が用意されたのは、以前も報じられた「車重1tあたり出力が50kW以上の車両は、免許取得後1年間運転できない」というイタリア新道交法に対処するため。同法は当初の7月施行予定が2009年1月まで延期されたが、そのために1バージョンを用意するあたりにも、メーカーによる若者への強いラブコールが感じられる。
元祖“ベイビー・アルファ”はスーパーカー『8C』のデザインを受け継いだ小さな上質車だった【懐かしのカーカタログ】 2025年6月29日 2008年6月に本国発表、日本市場では翌2009年4月発表、5月発売と…