BMW『1シリーズ』のノッチバッククーペ「135i クーペMスポーツ」。日本市場におけるターゲットカスタマーのイメージは「自分を積極的に表現したいという意思を持っているユーザー。また、初めてBMWの駆け抜ける歓び - Freude am Fahrenを体感したいユーザーにもフィットするだろう」(ヘスス・コルドバBMWジャパン社長)というもの。
これだけではやや抽象的。マーケティング部門のマネージャー、岡田祐治氏は「まず第一は、20代から30代の独身、ないしは結婚はしているが子供はいない、いわゆるDINKSといった、経済的にゆとりのある男性です」と、さらに具体的なユーザー像を示す。
135iクーペの新車価格はオプションなしの状態で538万円から549万円。近年の世相を見ると、若年層の収入低下、いわゆる「ワーキングプア」問題が取り沙汰される一方、外資系企業に就職して20代で数千万円の年収を手にする人も少なくない。また既存の産業でも金融、商社、マスコミなど、若い頃から高収入を得るサラリーマンは依然として多数存在する。
今日の自動車業界では、クルマ離れが進行している若年層をターゲットとする本格的な商品企画は無駄と考える風潮が出てきているが、BMWはもとから少量販売のプレミアムブランド(と言っても年間6万台超というボリュームだが)というポジションを生かし、逆張りで若年層にも訴求していこうという戦略を取っているのだ。
「もちろん若年層だけでなく、子供の教育を終えて大きなクルマが必要なくなった50代から60代のユーザーもターゲットにしています。販売目標などは公表していませんが、それなりに台数を稼ぐことができる見通しを持っています」(岡田氏)
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