VW エコドライブ 体験…ドライバーの意識で燃費改善

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VWエコドライブ、2回目の走行では、トレーナーが低CO2走行のアドバイスを適宜行う。走り始めてすぐ、「少しアクセルを抜きながら、ステアリングスイッチでシフトアップしてみましょうか」と言われる。

トルコンATに慣れていると、60km/h以下でエンジン回転数2000rpm以下という状況では、それほど細かくシフト操作をしてもトランスミッションが反応せずに無駄と思ってしまうが、クラッチ+常時噛合ギアというMTに近い機構のDSGではそうではないらしい。言われたとおりにシフト操作をすると、簡単に2速、3速とシフトアップできた。

40 - 50km/hくらいの速度域では、オーバードライブギアである6速まで使用できる。そのときのエンジン回転数はおおむね1000rom少々と、きわめて低い。「1200rpmくらいで軽くアクセルを踏んでいるときに、少しだけブルブルと共振音が聞こえてくるでしょう。それがリーン燃焼に近い効率のいい領域を使っているときの音なんです」とトレーナー氏。

あまり回転数が低いと、エンジンが有効なトルクを発生できず、燃費がかえって低下する…と筆者は思い込んでいたが、燃焼技術が発達した今日においては、その考えはもはや古いらしい。結構勉強になる。

国道357号線またぎでふたたび長い信号につかまる。「では、ここでアイドリングストップをしてみましょう」。1回目の走行のときには、停止中に燃料がどんどん消費されているのが数値で表示されるのを見て、心中穏やかならぬモノがあったが、アイドリングストップ時はもちろん燃料は減らない。これは案外、精神衛生上いいかも!?

もっとも、青になるタイミングを見誤ると発進が遅れ、後続車の流れを妨害してCO2を増やしてしまうことにつながるため要注意だ。

その後も「発進のときにATのクリープ走行くらいのスピードになるのを一瞬待って加速すると燃費がよくなりますよ」、「遠くに信号が見えていますから、ここでNレンジを使ってみましょうか」などと、適宜アドバイスを受けながら、1回目と同じコースを走り終えて帰着。データを見ると、前回に比べて比較的丁寧に走ったにもかかわらず、走行時間はかえって短くなっていた。

燃料消費率は100kmあたり7.7リットルと大幅に削減。リッターあたり燃費に換算すると約13km/リットル。加速力を試したりしなかったぶんを差し引いても、向上率はかなりのもの。トレーナー氏のコーチングの成果が明白に表れたかたちとなった。

「クルマの燃費向上のため、自動車メーカー各社は技術革新を行っているが、クルマの側で燃費を1%向上させるのは大変なこと。しかし、ドライバーの意識の持ちようによって、燃費は10%も20%も改善される」

フォルクスワーゲングループジャパンの梅野勉社長(取材時)はこのように語り、ユーザー啓発によるCO2削減への取り組みを強化する意向を示した。日本では昨今のガソリン高騰により、経済的理由からユーザーの燃費への関心が高まっている。CO2低減の啓発を行うには、いいタイミングであるといえるだろう。

《井元康一郎》

井元康一郎

井元康一郎 鹿児島出身。大学卒業後、パイプオルガン奏者、高校教員、娯楽誌記者、経済誌記者などを経て独立。自動車、宇宙航空、電機、化学、映画、音楽、楽器などをフィールドに、取材・執筆活動を行っている。 著書に『プリウスvsインサイト』(小学館)、『レクサス─トヨタは世界的ブランドを打ち出せるのか』(プレジデント社)がある。

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