フォルクスワーゲン・エコドライブ、第1回目の走行の後は、簡単な座学が行われる。この日講師を務めていたのは、エコドライブトレーニングの実施でフォルクスワーゲングループジャパンと連携しているNPO、モビリティ21を主宰する自動車ジャーナリストの清水和夫氏。
内容は非常に基本的なもの。主なものを挙げると、なるべく2000rpm以下で走行すること、早めにシフトアップすること、長い信号待ちになると思われるときにはアイドリングストップも有効、タイヤの空気圧が低すぎないよう点検、前方の交通状況をよく見て加減速を行うこと等々。
加えて、低CO2走行は、単なる省燃費走行とは違うということも解説。単独の車両で省燃費走行を限界まで狙うというだけなら、それこそ10・15モード燃費測定のようにノロノロと加速すれば燃費は上がる。が、燃費を気にするあまり緩慢な加速を行ってしまうと、信号が青のあいだに通過できるクルマの台数が減り、交通全体でのCO2排出量は増加してしまう。「そういうのはエコではなくエゴ」なのだそうだ。
また、やや高度なテクニックとしてはトランスミッションのN(ニュートラル)レンジの活用も紹介された。トルコン式ATではNレンジを使うとトランスミッションにストレスがかかってしまうが、MTや機械式ATでは、局面によってはNレンジ、Nポジションを使ったほうがいいというのだ。
Nレンジを使うと、減速時にエンジンの燃料カットが行われないため、長い下り坂などではかえって燃料消費量が増えてしまうといわれている。が、市街地などで遠くに赤信号が見えているといった場合、Dレンジでアクセルオフ状態を保っていると、燃料はカットされるが、エンジンブレーキで速度も失われてしまうため、再加速が必要になってしまうことも。何事についても状況判断が大事だというのだ。
こうしたチェックポイントを頭に入れ、いよいよ2回目の低CO2走行講習に向かう。