自動車事故対策機構(NASVA)は2日、カーテンエアバッグの効果を確認するための参考試験を実施した。これは自動車アセスメント(JNCAP)に関連したものではないが、試験基準などはJNCAPのものを踏襲している。
この参考試験は、カーテンエアバッグの効果を実証するために行われるもの。カーテンエアバッグは側面衝突時に乗員の頭部を保護するためのもので、設定車種はここ2-3年の間に増えてきた。だが、標準装着はまだ一部のクルマに限られ、基本的には高額なメーカーオプションの扱いとなることもあり、装着率は低いままだ。
側面から他車に突っ込まれる出会い頭衝突や、スピンなどでコントロールを失ったまま電柱や立ち木に激突するというシチュエーションにおいては、「カーテンエアバッグの効果は非常に高い」と考えられる。
衝撃吸収ゾーンがほとんど存在しないことから、事故の危険度としては前面衝突よりも側面衝突の方が高いことは間違いないのだが、その被害をイメージしにくいことも装着率が低い理由ではないかとみられている。
今回の参考試験では、同一車種でカーテンエアバッグあり/なし(実際にはバッテリーを抜き、機能を故意にキャンセルさせた状態)で側面衝突を実施する。JNCAPで行う側面衝突試験とは異なり、運転席側から立ち木や電柱に突っ込んだことを模したものとなっており、直径10インチ(25.7cm)の鋼鉄ポールに29.0km/hで運転席側を衝突させる。ポールが当たる部分は運転手の頭部重心位置で、効果はダミー人形が受ける頭部傷害値(HIC=Head Injury Criteria)をもって計測することになる。