トヨタ自動車は、系列部品メーカーのアイシン高丘と共同で、使用済み自動車シュレッダーダスト(ASR)の新たなリサイクル技術を確立するため、サーマルリサイクル実証プラントを新設すると発表した。豊田メタルの半田工場内ですでに着工している。
自動車のリサイクルで、ASRの処理が大きな課題となっている。ASRリサイクル技術の開発では、マテリアルリサイクルに着目して、93年8月にASRリサイクル実用化プラントを建設して、リサイクル実効率88%を達成した。しかし、トヨタの目標である95%を達成するには、従来の対応に加えASRサーマルリサイクルでの対応が必要と判断、今回の建設を決めた。
実証プラントは、ASR中の可燃物を600度以上で熱分解しガス化すると同時に、ガラスなどの不燃物を1600度以上の高温で溶解スラグ化するシステムだ。今回の実証の狙いは樹脂・ガラスや土砂などの様々な材料の混合物のASRから安定して高品質なガスやスラグを取り出す技術を確立するとともに、従来タイプのガス化溶解炉に比べて初期投資が安価なキュポラ式ガス化溶解炉の採用でASR処理費の低減を図る。