【新風『ブルーバード・シルフィ』Vol. 2】SULEVのヒミツを明かす

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『ブルーバード・シルフィ』最大のセールスポイントは、「ハイブリッド車の排ガスよりも、東京の空気よりキレイな」排出ガスレベルを実現したという「QG18型」エンジンを、量販グレードの「18Vi」に採用したことだろう。

このエンジンの排出ガス量はHCが0.01、NOxが0.01、COが0.03(いずれも10・15モード、g/km)。どの数値も運輸省の低排出ガス車認定制度でもっともクリーンな「超-低排出ガス」基準をさらに50%下回り、「世界で最もクリーン」といわれる、アメリカ・カリフォルニア州のSULEV(超々低排出ガス車両)に認定された、日産の『セントラCA』と同じレベルに達している。

QG18エンジンでは、おおまかにいって、「高速噴流型ハイスワール燃焼」「高精度空燃比制御システム」「超低ヒートマス担体触媒」「2ステージ式高効率HCトラップ」の4つの技術によって、排ガスのクリーン化が実現されたという。

「最初の高速噴流型ハイスワール燃焼には、まず、吸気ポートに設けられた『高絞り率スワールコントロールバルブ』が役に立っています。エンジンが冷えているときはHCなどの有害物質が増えやすいのですが、まず、このバルブを絞って空気の流れを早くすることで、ポートの壁に燃料が付着することを防ぎ、燃料が不必要に濃くなりすぎないようにするんです。さらに吸気の流速を上げたことで、燃焼室内でスワール(混合気の渦)をうまく作れるようになり、燃焼速度が上がり、燃焼の効率がよくなるんですね」と、日産自動車パワートレイン事業本部・エンジン先行開発部の西沢公良さんは解説してくれた。

「次に、空燃費制御システムの精度を上げることで、混合気を、より様々な状況で理想的な空燃比(ガソリンと空気の理想的な混合の比率)に近づけるようにします。さらに、2種類の触媒は、これもエンジン冷間時の有害物質低減に役立っているんですね」

現在の触媒は、触媒そのものが冷えていると、有害物質の浄化機能が落ちるという欠点があるという。「そこで、高効率のHCトラップを2つ、2段階で設けて、エンジン始動直後10秒間のぶんのHCはまずここに吸着させます。その後の20〜30秒間に出るHCは、排気ポート直後に設け、さらに触媒の壁を50ミクロンまで薄くして温まりやすくした『超低ヒートマス担体触媒』によって、浄化・脱硫します。そのころには2つのHCトラップ触媒も温まって性能を発揮するので、先に吸着した有害物質も浄化・脱硫できます。このような技術を用いた結果、エンジン始動直後の有害物質の排出量を、これまでより5〜6割減らすことができたんです」

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