フォーミュラEの輸送を担う、オフィシャルロジスティクスパートナーDHLの取り組み

左からDHLサプライチェーン 代表取締役社長 ジェローム・ジレ氏、フォーミュラE サステナビリティ部門ディレクター ジュリア・パレ氏、DHLフォーミュラEアンバサダーとして就任したスーパーフォーミュラドライバーの野田樹潤選手、DHLグローバルフォワーディング モータースポーツ部門ヘッド マヌエラ・ジャンニ氏、DHLジャパン 代表取締役社長 トニー・カーン氏。
  • 左からDHLサプライチェーン 代表取締役社長 ジェローム・ジレ氏、フォーミュラE サステナビリティ部門ディレクター ジュリア・パレ氏、DHLフォーミュラEアンバサダーとして就任したスーパーフォーミュラドライバーの野田樹潤選手、DHLグローバルフォワーディング モータースポーツ部門ヘッド マヌエラ・ジャンニ氏、DHLジャパン 代表取締役社長 トニー・カーン氏。
  • DHLジャパン 代表取締役社長 トニー・カーン氏がDHLについて説明した。
  • DHLサプライチェーン 代表取締役社長 ジェローム・ジレ氏は、DHLの倉庫業務について語った。
  • フォーミュラE サステナビリティ部門ディレクター ジュリア・パレ氏は、DHLとのパートナーシップやフォーミュラEのサステナブルな取り組みについてをわかりやすく説明。
  • DHLグローバルフォワーディング モータースポーツ部門ヘッド マヌエラ・ジャンニ氏は、フォーミュラE実現の舞台裏について語った。
  • 笑顔でリクエストしたポーズに答えてくれた野田樹潤選手。

3月27日、都内にてフォーミュラE世界選手権東京大会DHLグループ記者発表会が開催された。DHLは、ロジスティクス産業のグローバル企業であり、フォーミュラEのオフィシャルファウンディング・ロジスティクスパートナーとして、グループ内の専属チームが、レースの実施に必要なレース機材一式の輸送を担っている。


そんなDHLは記者発表会にて、今月30日に東京で開催されるフォーミュラE世界選手権東京大会 (2024 Tokyo E-Prix ABB FIA Formula E 世界選手権)を前に、DHLフォーミュラEアンバサダーを発表した。アンバサダーに選ばれたのは、今シーズンより日本人女性として初、かつ最年少ドライバーとして、日本国内最高峰で最速のスーパーフォーミュラに参戦しているJujuこと野田樹潤選手。DHLの掲げる「スピード」「パッション」「チームワーク」のコアバリューと野田選手の持つ信条が一致することから起用が決まった。

発表会ではまずDHLジャパン代表取締役社長のトニー・カーン氏が登壇し、DHLの説明を行った。DHLは世界220以上の国と地域でビジネスを展開し、世界の従業員は60万人、2023年の売上は日本円で約13兆円にのぼる。国際エクスプレス、フォワーディング、コントラクトロジスティクスと、郵便事業まですべての物流モードをカバーしているのが特徴だ。日本では国際エクスプレスはDHLエクスプレスジャパン、フォワーディングは、DHLフォワーディングジャパン、そしてコントラクトロジスティクスは、DHLサプライチェーンジャパンの3社が担当している。

◆最高のサービスを提供する鍵は従業員のやる気

DHLの戦略については、まず物流業界で最も重要な課題である環境問題について言及。同社は2050年までに二酸化炭素排出量を正味ゼロにするという「ミッション2050」を掲げ、様々な気候変動対策に取り組んでいる。そしてサステナビリティへの取り組みも重要視し、3つのコミットメントを掲げている。

1つめは、気候保護のためのクリーンオペレーション。業務において環境負荷を少なくする、サステナブルなロジスティクスを実現する。2つめは信頼される企業となること。コンプライアンスを守り、お客様、パートナー、サプライヤー、企業から信頼される関係を築く。3つめは、すべての人にとって働きがいのある職場を作ること。顧客に最高のサービスを提供する鍵となるのは、やる気のある従業員だと考えている。

◆2024年は完全電気式飛行機が納入される予定

オペレーションの分野では、DHLが運用する航空機や船舶で使用する燃料は、持続可能な航空燃料・船舶燃料を混合することが進められており、2030年までには、サステナブルな燃料の混合比率を30%以上にする予定だ。また航空機は燃費の良い、ボーイング777のような最新の機材に入れ替えている。さらに完全電気式の貨物機12機を発注しており、今年中に導入する予定だ。

◆2024年末までに電動集配車は73台を導入予定

次に倉庫業務について、DHLサプライチェーン代表取締役社長 ジェローム・ジレ氏が語った。グランドハンドリングにおける脱炭素化として、2030年までに集配車両の60%を電動化し、DHLグループとしては世界で3万6000台以上の電動集配車を導入する。日本ではEV集配車が72台あり、水素トラックでの試験も行い、市場へ展開する予定だ。倉庫については1万2000もの施設があり、これらをすべてカーボンニュートラルにすることが目標だ。そのためにもさまざまな技術に投資をし、ソーラーパネルを取り付けたりとCO2を削減する取り組みを進めている。もちろん、新たに開設する施設に関しては100%カーボンニュートラルになっている。

◆24時間で売り切れたフォーミュラEの観戦チケット

次にフォーミュラE サステナビリティ部門ディレクター ジュリア・パレ氏が登壇し、DHLとのパートナーシップやフォーミュラEのサステナブルな取り組みについて説明。冒頭で今回のフォーミュラE世界選手権東京大会のチケットは販売開始から24時間で完売したことが伝えられた。つまりこれは日本でのフォーミュラEの期待度が高いということだと考えているそうだ。東京で開催される理由については、東京が考えるカーボンニュートラルの世界とフォーミュラEの思想が一致したからとのことで、数年前から話し合いは進んでいた。


《関口敬文》

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