FCEVに追加するターボチャージャーと聞いて、どのような仕組みをイメージするろうか。FC EXPO 国際水素・燃料電池展において、IHIはFCEV向けの電動ターボチャージャーを出展した。燃料電池スタックに対して空気を過給するものだ。
そもそも燃料電池スタックは、空気中の酸素と水素を反応させて電気を取り出すものだが、車載の場合は短時間に膨大なエネルギーを出力しなければならないのでコンプレッサーで空気を大量に送り込む仕組みが備わっている。大量の酸素と大量の水素を反応させて、電気を取り出すということだ。
IHIが出展した電動ターボチャージャーとは、そのように高速な反応を終えて、吹き出すように排出される空気を利用してタービンを回し、その回転エネルギーによってコンプレッサーの回転をアシストするというもので、言われてみれば確かにターボチャージャーとしか言いようがない。
実際にメルセデスベンツ『GLC F-CELL』に搭載されたものが展示されていた。タービンとコンプレッサー駆動用のモーター・インバーターが一体になっており、確かにターボチャージャーに似た形状だ。担当者によると、これはいわば第一世代で、まもなく第二世代が市販車に搭載され世に出るところだという。出力を倍増させつつ、さほど変わらない大きさにまとめられている。