7代目は集大成となるか? 歴代『フェアレディZ』をプレイバック

米国で発表された7代目の日産 フェアレディZ(Nissan Z)
  • 米国で発表された7代目の日産 フェアレディZ(Nissan Z)
  • 米国で発表された7代目の日産 フェアレディZ(Nissan Z)
  • 日産 フェアレディZ 初代(S30)
  • 日産 フェアレディZの3代目(手前)と2代目(中央)
  • 日産 フェアレディZ 4代目(Z32)
  • 日産 フェアレディZ 5代目(Z33)
  • 日産 フェアレディZ 6代目(Z34)
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8月に、米国市場向けモデルがニューヨークで公開され、日本国内は2021年冬、北米では2022年春に発売予定であることも明らかとなった新型『フェアレディZ』。これらの情報に多くのファンが色めき立った。ここでは、そんなフェアレディZの半生を振り返ってみたい。

ダットサン・フェアレディからフェアレディZとなった初代(S30)

日産 フェアレディZ 初代(S30)日産 フェアレディZ 初代(S30)
オープンカーの「ダットサン・フェアレディ」から、車名に「Z」が付き1969年に登場した「S30」は、日本車離れしたロングノーズ&ショートデッキの美しいスタイリングをまとい、エンジンはすべて直6のL型の2.0リットルから2.8リットルまでを搭載。欧州製の高級スポーツカーに匹敵するスペックを持ちながら圧倒的に廉価だったこともあって北米市場を中心に大ヒットした。

全世界の販売台数は約55万台に達し、日本国内だけでも約8万台と、当時のスポーツカーとしては驚異的な売れ行きを見せた「Z」は、海外での日産のイメージリーダーとなった。

ターボエンジン初採用の2代目(S130)・ハーフリトラクタブルヘッドライトの3代目(Z31)

日産 フェアレディZの3代目(手前)と2代目(中央)日産 フェアレディZの3代目(手前)と2代目(中央)
約10年後の1978年に登場した2代目の「S130」は、S30の延長上で正常進化し、より上級のGTとしての資質を身につけた。Tバールーフやターボエンジンを初めて採用したのもこの世代である。

1983年に登場の3代目のZ31では、基本フォルムを踏襲しながらも直線的なデザインとし、斬新なハーフリトラクタブルヘッドライトを採用するなど、ひと味違った方向性を示した。エンジンはV6ターボをメインに、新世代の直6のRB20DETも用意された。グラマラスなスタイリングに生まれ変わった後期型のデザインも話題となった。

歴代でも最も異彩を放つスタイリングの4代目(Z32)

日産 フェアレディZ 4代目(Z32)日産 フェアレディZ 4代目(Z32)
バブル真っ只中の1989年に登場した4代目の「Z32」は、歴代モデルの中でも異彩を放つ斬新なスタイリングが印象深い。エンジンは3.0リットルV6のターボと自然吸気が搭載された。Tバールーフはなく、遅れて歴代初のコンバーチブルが加わった。

原点回帰でヒット作となった5代目(Z33)

日産 フェアレディZ 5代目(Z33)日産 フェアレディZ 5代目(Z33)
約2年のブランクを経て登場した5代目の「Z33」は、S30を彷彿とさせる原点回帰を図ったスタイリングが人気を呼び、価格の安さもあってかなりのヒット作となった。エンジンは3.5リットルV6の自然吸気で、2シーターのみとされた車体は、テールゲート内に剛性確保のための太いフレームが配された。オープンモデルは「ロードスター」の呼称に変更。NISMOの名を冠したコンプリートカーも初めてラインアップされた。

よりスポーツカーとしての性能を高めた6代目(Z34)

日産 フェアレディZ 6代目(Z34)日産 フェアレディZ 6代目(Z34)
つづく2008年登場の6代目の「Z34」では、よりZらしさとスポーツカーとしての資質を磨くべく、ショートホイールベースとしてロングノーズを強調するとともに運動性能を高めるとともに、V6エンジンは排気量を200cc拡大し可変バルブ機構を採用するなどして性能向上を図った。世界初のMT車へのシンクロレブコントロールの採用も話題となった。

誕生から50年あまり、「Z」はずっと独自の存在感を発揮してきた。その集大成としてまもなく登場する7代目「Z」と対面できる日を心から楽しみにして待つことにしたい。

米国で発表された7代目の日産 フェアレディZ(Nissan Z)米国で発表された7代目の日産 フェアレディZ(Nissan Z)

《岡本幸一郎》

岡本幸一郎

1968年、富山県生まれ。学習院大学を卒業後、自動車情報映像の制作や自動車専門誌の編集に携わったのち、フリーランスのモータージャーナリストとして活動。幅広く市販車の最新事情を網羅するとともに、これまでプライベートでもスポーツカーと高級セダンを中心に25台の愛車を乗り継いできた経験を活かし、ユーザー目線に立った視点をモットーに多方面に鋭意執筆中。日本自動車ジャーナリスト協会会員。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

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