JR東海は8月7日、次世代の東海道新幹線用車両N700Sの営業用車両で地上設備の監視を実施すると発表した。
東海道新幹線では、軌道や電気、信号といった地上設備の保守について、省力化や計測の高精度化を推進しており、営業用車両や2018年3月に登場したN700S確認試験車に軌道状態を監視する「軌道状態監視システム」を搭載した。
N700S確認試験車には、さらに電気関係の設備状態を計測する「トロリ線状態監視システム」と、信号システムの状態を監視する「ATC信号・軌道回路状態監視システム」を2018年10月から搭載しており、今回はこれら3つのシステムの技術的な目途が立ったとして、2020年7月に登場する予定となっているN700Sの営業用車両3編成に搭載されることになった。なお、軌道状態監視システムについては、より高精度な計測を行なうために他の3編成にも搭載される。
これにより、通常「ドクターイエロー」と呼ばれる新幹線電気軌道総合試験車で10日ごとに計測されている「トロリ線」と呼ばれる架線の摩耗状況などを毎日監視できるようになるほか、ドクターイエローからの地点情報を基に、月に1回、夜間に行なっていた作業員の定例計測を省略することが可能になる。
N700Sの営業用車両での監視は、2021年3月までに確認試験車に搭載した計測機器の長期耐久性などを確認し、同年4月から実施するとしている。