「日本一安い鉄道運賃」北大阪急行と若桜鉄道などが同額100円に…運輸審議会が答申

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運輸審議会は北大阪急行電鉄が申請していた運賃値上げを「適当」と答申。4月にも値上げが実施される見込みだ。
  • 運輸審議会は北大阪急行電鉄が申請していた運賃値上げを「適当」と答申。4月にも値上げが実施される見込みだ。
  • 2020年度に開業する新箕面駅の工事現場。今回の運賃値上げは延伸線の事業とは関係なく実施される。
  • 北大阪急行線の初乗り運賃は値上げ後も「日本一安い鉄道運賃」だが、若桜鉄道(写真)や岡山電軌の最安運賃と同額になる。

国土交通大臣の諮問機関・運輸審議会は2月21日、北大阪急行電鉄が申請している旅客運賃の上限変更について、申請通り認可することが適当と答申した。これを受けて国交相は近日中に上限運賃の変更を認可する。

北大阪急行電鉄は、江坂(大阪府吹田市)~千里中央(豊中市)間5.9kmの南北線(北大阪急行線)を運営。江坂駅で大阪市交通局の地下鉄御堂筋線に接続し、相互直通運転を行っている。このほか、千里中央~新箕面(仮称、箕面市)間2.5kmの南北線延伸線が2020年度の開業を目指して工事が進められている。

北大阪急行線の輸送人員は、沿線の公団住宅の建替えや大型商業施設のオープンもあり、近年は若干持ち直しているが、基本的には1992年度をピークに長期的な減少傾向が続いている。その一方、北大阪急行線の車両や駅施設が老朽化しており、延伸線の建設とは別に新型車両の導入やホームドアの設置計画など大規模な投資が必要な状況だ。こうしたことから北大阪急行電鉄は2016年12月、運賃の値上げを申請した。

運輸審議会の発表によると、普通旅客運賃(大人・片道)の上限は初乗り(2kmまで)が100円に。2~4kmの区間は120円、4~6kmの区間は140円になる。各区間で10円または20円値上げされる。北大阪急行電鉄は上限運賃の変更が認可された場合、上限運賃をそのまま実施運賃とし、4月の運賃値上げを目指す方針だ。

現在の初乗り区間の運賃は、国内の鉄道事業の旅客運賃で最も安い90円。値上げ後(100円)も引き続き「日本一安い鉄道運賃」だが、若桜鉄道(鳥取県)や岡山電気軌道(岡山市)の最安運賃と並ぶ。

《草町義和》

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