三菱自 益子会長兼社長「6月以前とは会社が大きく変わりつつある」

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三菱自動車の益子修会長兼社長(右)と日産自動車のカルロス・ゴーン社長
  • 三菱自動車の益子修会長兼社長(右)と日産自動車のカルロス・ゴーン社長
  • 三菱自動車の益子修会長兼社長
  • 三菱自動車の緊急会見の様子

三菱自動車の益子修会長兼社長は10月20日、日産自動車による出資が完了したのを受けて日産自動車のカルロス・ゴーン社長とともに会見を行った。その中で「6月以前とは会社が大きく変わりつつある」と述べた。

三菱自動車は6月に日産で副社長を務めた山下光彦氏に来てもらい、副社長として燃費不正問題の舞台となった開発部門の改革を依頼した。すでに、その成果が出てきているというわけだ。

「今6合目か7合目までは山下さんの調査と改革が進んできていると思うので、もう少しで全体像がまとまる。その時点でゴーンさんに相談したいと考えている」と益子氏は話し、さらに日産、あるいはその他から開発部門で不足した人材を招くという。

しかし、開発部門を立て直したからと言って、これまで失ってきた信用が回復するものではない。それは益子氏も十分承知で「会社をあげた一体感を持った取り組みが必要」と強調する。まずは益子氏の下に新設のグローバルリスク担当役員を置き、コンプライアンスとリスク管理を統括してもらい、信頼回復に向けた作業を加速していくそうだ。

「日産ではリバイバルプランを始めて、17年間で会社が大きく変わった。販売台数も増え、収益力も大幅にアップし、新しい技術への挑戦も続けている。この日産の成功体験から多くのことを学べる」と益子氏は話し、三菱自動車もこれからそうなることを期待する。

しかし、その日産では17年の間、信賞必罰の厳しい経営が行われた。従業員は高い目標を掲げて、それをコミットメントにし、達成できなければ、その職を降りてもらった。給与についても、その達成度合いに応じて支払われた。

いずれにしても三菱自動車の従業員とってはこれまでのような甘い考えは許されず、厳しい道が待っているのは間違いない。その厳しい道を乗り越えなければ、三菱自動車が信頼を回復して再生することは不可能と言っていいだろう。

《山田清志》

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