【新聞ウォッチ】三菱自、燃費測定値「いいとこ取り」で ミラージュ など8車種販売自粛へ

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気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2016年8月31日付

●三菱自不正、8車種でも燃費下回る、パジェロなど、販売一時停止へ(読売・1面) 

●MRJ米飛行、来月下旬、開所式も延期,露経由手続きに時間(読売・8面)

●国内自動車生産7月は3.1%減少(毎日・6面)

●中国車7社が増収増益、主要8社1~6月、補助金など恩恵(日経・9面)

●マツダのタイエンジン工場、生産能力3倍超に(日経・11面)

ひとくちコメント

「三菱不正8車種でも燃費下回る、販売一時停止へ」。きょうの読売が1面トップで報じたほか、各紙も三菱自動車の燃費不正問題を再び大きく取り上げている。

国土交通省が、すでに不正が発覚した軽自動車4車種以外の現行8車種でも、燃費性能がカタログ値を下回っていたと発表したためで、三菱自側も益子修会長兼社長と山下光彦副社長が急きょ記者会見を開き、「ご心配をおかけしていることをおわびする。再発防止を徹底し、不正を起こさない企業に変えていきたい」と謝罪した。

また、三菱自は法令に従った測定方法ではあったが、不正発覚後も燃費が良く出る「いいとこ取り」(益子修会長兼社長)の値を国に提出していたとみられる。各紙のタイトルを比べても「試験結果『いいとこ取り』」(朝日)としているほか、毎日は「三菱自信用失墜さらに」、読売と日経は『三菱自、遠い信頼回復』、産経も「信頼回復途上の失態」。

さらに、東京は編集企画の「核心」で「根深い『不正』体質」として、「消費者を軽視する企業体質の根深さを浮き彫りにしている」と報じた。ただ、記事では、山下副社長が「(測定試験に使った)車の個体差ではないか。ばらつきをどこまで抑えるかは会社の実力」と述べ、一台一台の仕上がりのばらつきをコントロール実力が三菱自には足らず、カタログ通りの燃費値を示す車を用意できなかったことが一因だと指摘している。

この「ばらつき」について、日経も「法令にのっとって試験しても、車両の状態や気象状況によって測定結果にばらつきが出る場合は多い」として「国交省は試験方法の見直しを進めている」という。

きょうの三菱自関連で興味深いのは朝日がユーザーに取材した記事。このうち、都内の販売店で三菱車の購入を決めたという品川区の男性会社員が「どこのメーカーも似たことをやっているのでは」と、50万円の値引きを提示され『いまが買い時だ』と思ったという。記事では、「メーカーのカタログ燃費は信用せず、ネット上のユーザーの情報などを参考にしている」と伝えている。

《福田俊之》

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