ウェザーニューズのグローバルアイスセンターは、2016年の北極海の海氷傾向を発表した。
北極海の海氷面積は今年3月に同時期としては観測史上最小となる1390万平方kmを記録し、現在もこの時期としては観測史上最小に近い面積となるペースで融解している。ただ、東シベリア海などで広範囲に厚い海氷がある影響で、夏には融解がペースダウンする見込み。
今年9月の最小海氷域面積は480万平方kmとなる予想で、1979年の観測開始以来、5番目に小さい面積となる見込み。
また、今シーズンの北極海航路は、ロシア側の北東航路、カナダ側の北西航路共に8月下旬に開通し、その後10月初旬まで海氷域に入ることなく通航可能となる見通し。
北極海の商業航海や資源開発の動きは年々活発になっており、ロシアのNSRAによると今年、ロシア側の北東航路の通航許可を得た航海数はすでに340を超え、昨年と同様のペースとなっているとしている。
ウェザーニューズでは、北極海の海氷を観測する超小型独自衛星「WNISAT-1R」を今年打ち上げる予定で、北極海航路の安全運航を支援する「Polar Routeing Service」を強化する構え。