三菱自動車の益子修会長は6月24日に千葉市で開いた定時株主総会で、日産自動車の資本を受け入れることについて「早期に資本業務提携を結ぶことが最も効果的な信用補完になると考えた」と述べ、株主に理解を求めた。
益子会長は「(燃費データ不正問題で)最も信頼を得るべきビジネスパートナーである日産自動車に多大なるご迷惑をかけており、両社の関係の今後が社会の注目を集めていた。また日産との資本提携にタイミングについても提携の意志を決めてから時間が経過すれば、それだけお客様、株主様、お取引先、販売店などすべてのステークホルダーに不安と懸念が増し、ブランド毀損が進み、それにつれて株価も下落するといったリスクがあった」と説明。
その上で「日産が当社に長期的な価値を見出して、早期に資本業務提携を結ぶことが最も効果的な信用補完になると考えた」と日産からの資本受け入れを決めた経緯を語った。
さらに「日産から開発部門の責任者の派遣を含めた人的、技術的支援を受けアライアンス活動を通じて日産の視点や価値観を通じて開発部門の改革を進めるとともに、組織体制および業務プロセスを抜本的に見直し、社員教育の強化を図り改革を進めていく。このように経営戦略面でも提携によるシナジー効果を十分に発揮していきたいと考えている」とも強調した。
三菱自と日産は5月12日、年内をめどに三菱自の株式34%を日産が取得して筆頭株主となるとともに、両社の生産設備の一体運営や技術資源の相互共有など連携を一段と強化することで合意した。