5月12日、日産との資本提携を発表した三菱自動車。この提携は三菱自動車にとって、グローバル市場で生き残るための選択でもある。
現在、世界の自動車メーカーには、成熟市場では燃費と排気ガス浄化の両立、高度なIT技術を要する予防安全技術の高度化、コネクティッドカーのような付加価値に関わる性能の向上が求められており、今後、さらなる開発競争が見込まれる。環境規制も、成熟市場や新興市場を問わず、規制が強化されることが確定済み。
三菱自動車は、「環境規制を満たすための内燃機関車の研究開発や、EV、ハイブリッド車、プラグインハイブリッド車(PHV)の商品力強化に向けた研究開発費、設備投資の増加が見込まれる」と述べる。
また、高度化した予防安全技術やコネクティッドカーといった領域では、大規模な自動車部品メーカーや電機メーカーから高付加価値な部品を購入するために、これまで以上に長い開発期間と大規模購入が必要となる。
三菱自動車は、「当社の事業規模において、このような領域における競争力を確保することは、今後、困難となる可能性がある」と説明。さらに、「研究開発の高度化、長期化、開発競争の激化といった大きな経営環境の変化の中で、三菱自動車は大規模企業を中心としたより大きなグループに入り、中長期戦略を共有する必要がある」と分析する。
そして、三菱自動車は、「日産と資本関係を含む強固な提携関係を構築することによって、ルノー日産アライアンスの一員として、三菱ブランドと信用の回復を図り、また、ルノー日産アライアンスの中で商品と技術開発領域の一体運用を行うことにより、開発資源を有効活用し、商品力の強化と高付加価値部品を中心とした部品の購買の効率性強化を図っていく」とコメントしている。