JR西日本は3月14日、225系電車の「アップデート」に相当する改良車を、近畿車輛の本社工場(大阪府東大阪市、片町線徳庵駅付近)で報道公開した。2016年度中に運行を開始する。
225系は2010年に登場したJR西日本の電車。琵琶湖線・JR京都線・JR神戸線や阪和線などの新快速・快速・普通列車で運用されている。223系電車と同様、車体はステンレス製で車内の座席は転換クロスシートを採用。223系がモーター付きの車両とモーター無しの車両で編成を組んでいるのに対し、225系は1両の台車二つのうち一つをモーター無しとし、全ての車両にモーターを配置している。
JR西日本が今回公開したのは、225系の改良車のうち阪和線用の最初の車両となる8両(4両編成2本)。番台区分は5100番台で、車両番号は1編成目がクモハ225-5101+モハ224-5101+モハ225-5101+クモハ224-5101、2編成目がクモハ225-5102+モハ224-5102+モハ225-5102+クモハ224-5102となっている。
モーターや制御装置などは従来の225系と同じだが、それ以外の部分では、広島地区で導入が進む227系電車など、2010年以降に登場した新型電車で採用された技術などを反映させている。
先頭部の形状は227系にあわせており、複数編成の連結に対応した転落防止ホロも設置した。車両異常挙動検知装置やドア誤扱い防止装置などを搭載したほか、集電装置(パンタグラフ)を増やすなど機器の二重化も行っており、安全性や安定性の向上を目指している。
サービス面では、行先表示と種別表示を一体化させてカラーLED化。車内照明もLEDを採用しており、照明付近に影ができないよう天井の形状を変更している。車両連結部のドア(貫通扉)にはアシストレバーを設置し、重くなりがちな貫通扉を開けやすくした。このほか、車内Wi-Fiを設置して利用者にネット接続環境を提供する。座席は従来の阪和線用225系と同様、横1列に2+1席の転換クロスシートを設置している。
阪和線用の5100番台は2016年度中に運行を開始する予定。2017年度までに122両製造し、阪和線や大阪環状線、関西空港線を走る「紀州路快速」「関空快速」などで運用する。琵琶湖線・JR京都線・JR神戸線でも改良車(100番台)の導入が計画されており、既に最初の編成が試験運行を行っている。