近鉄南大阪線・吉野線の新たな観光特急は『青の交響曲』…9月10日から運行

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『青の交響曲』の外観は、濃紺色に金色の帯を配したシックなもので、前面や側面には専用のエンブレムが取り付けられている。
  • 『青の交響曲』の外観は、濃紺色に金色の帯を配したシックなもので、前面や側面には専用のエンブレムが取り付けられている。
  • 3両編成の側面。中間のラウンジ車両は窓の縦幅が狭くなっており異彩を放っている。
  • 3両編成の見取り図。1・3号車の座席はすべて1+2配列。
  • 1・3号車の座席。3~4人用のサロン席と2人用のツイン席があり、座席の一部には吉野地域の竹材が使われている。座席、カーテン、カーペットに使われる素材の質感も配慮されている。
  • 2号車・ラウンジ車の車内。ラウンジスペースには革張りのソファが配され、バーカウンターも備える。ホテルのような空間を意識したという。
  • ラウンジ車のバーカウンター。アテンダントによる飲食類のサービスが行われる。

近畿日本鉄道(近鉄)は2月17日、この秋から新たに南大阪線・吉野線で運行する観光特急の名称を『青の交響曲(シンフォニー)』に決定したと発表した。

この列車は9月10日から大阪阿部野橋(大阪市阿倍野区)~吉野(奈良県吉野町)間で運行するもので、「上質な大人旅」をコンセプトに、濃紺色に金色の帯をまとった落ち着いた雰囲気の車両が使われる。その車両は6200系を改造した16200系で、定員は3両編成で65人。大阪阿部野橋寄りの1号車と吉野寄りの3号車には2人用のツイン席と3~4用のサロン席が設けられており、座席配置は一部の区画を除いて2+1。1号車には多目的トイレと車椅子対応席も備える。

中間の2号車はラウンジ車として20席分の革張りソファを備えたラウンジスペースやバーカウンター、LEDの間接照明などが設けられており、ホテルのラウンジを意識した上質感が演出されている。バーカウンターでは専属のアテンダントが地元の特産品を使ったスイーツや酒類などを販売する。

また、列車名にちなんでクラシックをアレンジしたメロディを奏でるミュージックホーンを搭載し、発車メロディとして大阪阿部野橋駅で放送する。

1日2往復が運行され、時刻は大阪阿部野橋10時10分~吉野11時26分・12時34分~大阪阿部野橋13時51分・14時10分~吉野15時26分・16時04分~大阪阿部野橋17時22分。基本的に水曜日を除く週6日運行され、水曜日は同じ時刻で一般の特急用車両が運行される(3月19日~9月9日も一般の特急用車両が同時刻で運行)。

乗車には運賃と特急料金のほかに特別車両料金(210円)が必要。他の特急を乗り継ぐ場合は特急料金や特別車両料金は通算される。

列車名の『青の交響曲』は、日本遺産「明日香村」や世界遺産「金峯山寺」など、南大阪線や吉野線沿線の魅力的な観光資源と青い列車が調和して響きあうことをイメージして命名されたもの。列車名は公募され、3895件の応募があったものの、最優秀賞に該当する作品はなく、近鉄が応募案を参考に独自に決定したという。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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