クアルコムは、13日に開幕したオートモーティブワールド2016で、自社のワイヤレス給電システムを導入した日産『リーフ』をデモ展示。DDコイルやバイポーラコイルによる非接触給電で、電力伝送・位置ずれ許容度などの向上、軽量化・小型化の進化などをアピールした。
「今回は、7.4kW伝送でリーフに標準搭載されているバッテリーを3時間程度で満充電にできることを示す」と同社スタッフ。実際にリーフを動かし、非接触給電が行われるまでを見せていた。
受電用パッドや非接触充電モジュールを搭載したリーフが、送電側のパッドの位置(X軸・Y軸)にくると、専用アプリがインストールされたスマホに「◎」が表示され、その後すみやかに充電が始まる。「ほぼ毎日充電するEV。いったん降りて、プラグをさすというアクションは、EV普及のネガティブな要素ともいえる。クルマを止めた瞬間、充電が始まるというスタイルを広め、EV量産市場へ準備が整ったことをアピールしたい」と同社スタッフは話していた。
さらに同社は、DDコイルやバイポーラコイルは、細くて高さ(Z軸)のある磁束パイプを発生させるというメリットをサンプルなどで紹介。CRコイルに比べてコンパクトで磁束のモレもおさえられるという。
「こうしたメリットから、地面の送電側と車体側の受電側でフルパワーの磁界結合ができ、位置合わせ許容度もじゅうぶんに確保される」(同社スタッフ)
また同社スタッフは、地面側の送電パッドにおける異物検出や通知システムについても紹介。「たとえば、強風送電パッドの上に空き缶やゴミがのってしまった場合、給電を中止し、ドライバーのスマホに通知する仕組みも設けている。こうした細かな仕掛けをセットにして、非接触給電の普及、その先にあるEVの普及に貢献したい」と話していた。