道南いさりび鉄道、旅客運賃の上限を申請…函館~木古内間は1110円

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道南いさりび鉄道は北海道新幹線の部分開業(緑)に合わせ、江差線五稜郭~木古内間(赤)の経営を引き継ぐ。函館本線函館~五稜郭間は引き続きJR北海道の運営になるが、函館~木古内間を直通する列車は維持される。
  • 道南いさりび鉄道は北海道新幹線の部分開業(緑)に合わせ、江差線五稜郭~木古内間(赤)の経営を引き継ぐ。函館本線函館~五稜郭間は引き続きJR北海道の運営になるが、函館~木古内間を直通する列車は維持される。
  • 乗継割引の適用範囲。運賃の大幅な値上げを抑える。

江差線五稜郭(北海道函館市)~木古内(木古内町)間37.8kmの運営を引き継ぐ道南いさりび鉄道は10月26日、旅客運賃の上限設定認可を国土交通省北海道運輸局に申請したと発表した。JR乗入れ区間を含む函館~木古内間は、今より270円高い1110円になる。

江差線はJR北海道が運営する鉄道路線だが、北海道新幹線新青森~新函館北斗間の開業(2016年3月26日)にあわせ、第三セクターの道南いさりび鉄道が運営を引き継ぐ。函館本線の函館駅から江差線に直通している列車は、経営移管後も引き続き函館発着とし、JR線から道南いさりび鉄道線への直通運転を行う。

発表によると、上限運賃は現在のJR運賃の1.3倍程度に設定。実際に適用する運賃(実施運賃)も上限運賃と同額に設定する予定だ。普通旅客運賃は大人の場合、初乗り(1~2km)が現在のJR運賃より20円高い190円に。主な区間では、五稜郭~七重浜間が現在より50円高い220円、五稜郭~上磯間が70円高い300円、五稜郭~木古内間が120円高い960円になる。

定期旅客運賃は大人1カ月の場合、五稜郭~上磯間の通勤定期が9530円で2200円の値上げ。五稜郭~木古内間の通勤定期は現在より7640円高い3万3100円になる。通学定期は高校生の1カ月用で五稜郭~上磯間が1450円高い6520円になる。

また、道南いさりび鉄道とJR北海道は「会社間境界を越えてご利用の場合にお客様のご負担が増すことを抑制する」として、乗継割引運賃を設定する予定だ。普通旅客運賃は函館~木古内間、定期旅客運賃は森・函館~木古内間で割引運賃を設定する。

函館~木古内間の現在の普通旅客運賃(大人)は840円。割引運賃が適用されない場合、JR北海道の函館~五稜郭間(210円)と道南いさりび鉄道の五稜郭~木古内間(960円)の合算になり、現在より330円高い1170円になる。乗継割引適用後の運賃は1110円とし、値上げ幅を270円に抑える。

《草町義和》

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