鉄道の災害運休区間、台風で約100km増…8月末

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8月末時点の災害による長期運休区間。台風15・16号の影響で運転を見合わせた線区のうち、肥薩線は今も八代~人吉~吉松間で運休が続いている。
  • 8月末時点の災害による長期運休区間。台風15・16号の影響で運転を見合わせた線区のうち、肥薩線は今も八代~人吉~吉松間で運休が続いている。

災害による鉄道路線の長期運休区間は、8月末時点で496.0km。7月末時点に比べ101.1km増加した。7月に不通となった能勢電鉄のケーブルカーが再開した一方、台風15・16号の影響で西日本を中心に運転見合わせが相次いだ。

九州の肥薩線は八代~人吉~吉松間が運休中で、このうち八代~人吉間は運休が長期化する見込み。このほか、8月1日に北海道の石北本線下白滝~丸瀬布間で路盤が流出し、同区間を含む上川~遠軽間が運休したが、8月8日に再開している。

■JR北海道 日高本線 鵡川~様似(北海道) 116.0km
バスによる代行輸送を実施中。再開のめどはたっていない。

■JR東日本 山田線 宮古~釜石(岩手県) 55.4km
バスによる代行輸送は行われていないが、岩手県交通と岩手県北バスが並行路線バスを運行中。三陸鉄道が列車の運行を引き継ぐことを条件に復旧工事に着手しており、2018年度中に再開される見込み。

■JR東日本 大船渡線 気仙沼~盛(宮城県・岩手県) 43.7km
■JR東日本 気仙沼線 柳津~気仙沼(宮城県) 55.3km
仮復旧の扱いでバス高速輸送システム(BRT)による代行バスが運行中。JR東日本は鉄道の復旧を断念し、BRTの運行を継続する考えを示している。

■JR東日本 常磐線 竜田~原ノ町(福島県) 46.0km
バスによる代行輸送を実施中だが、途中駅は全て通過。富岡~浪江間を除き、2018年までの再開が見込まれている。

■JR東日本 常磐線 相馬~浜吉田(福島県・宮城県) 22.6km
不通区間より広い相馬~亘理間でバスによる代行輸送を実施中。再開は2017年春の予定。

■JR東日本 只見線 会津川口~只見(福島県) 27.6km
バスによる代行輸送が行われている。再開のめどはたっていない。

■大井川鐵道 井川線 接岨峡温泉~井川(静岡県) 10.0km
再開のめどはたっていない。

■JR東海 名松線 家城~伊勢奥津(三重県) 17.7km
バスによる代行輸送が行われている。2016年春に再開する見込み。

■JR西日本 紀勢本線 新宮~紀伊勝浦(和歌山県) 14.9km
台風16号の高波により新宮~三輪崎間の土砂が流出。8月22日から同区間を含む新宮~紀伊勝浦間で運転を見合わせ、バスによる代行輸送が行われていたが、9月1日の初発から運行を再開した。

■JR九州 肥薩線 八代~吉松(熊本県・宮崎県・鹿児島県) 86.8km
台風15号の大雨により鎌瀬~瀬戸石間などで土砂の流入や倒木の被害。8月25日から八代~人吉~吉松間で運転を見合わせている。8月31日から八代~人吉間のみマイクロバスによる代行輸送が行われているが、一部の駅は通過。人吉~吉松間は代行輸送が行われていないが、9月3日から運行を再開する予定だ。

◎再開:能勢電鉄 妙見の森ケーブル 黒川~ケーブル山上(兵庫県) 0.6km
台風11号の大雨による影響で、線路脇の法面(のりめん)が陥没。7月18日から運休していたが、8月27日に再開した。

《草町義和》

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