水素と酸素を化学反応させ、電力を取り出すのが燃料電池。気になるのが耐用年数と劣化の度合いだ。トヨタ『MIRAI』の開発全般に携わったトヨタ自動車製品企画本部、野正斉氏は「スタックが化学反応を起こしている以上、劣化は防げない」と話す。
その劣化の度合いは、かなり厳しい評価基準、酷使状態で「15年で15%ほど」(野正氏)だという。
劣化とは、具体的には“出力”が落ち、モーターがパワーを発揮できないということ。しかし、劣化は“一気に”ではなく、“だんだんと”、使われ方の頻度に比例して劣化する。そのため1年で1%なのではなく、15年で15%という数字なのだ。
ちなみに劣化するのはあくまで“出力”。「出力が落ちても化学反応は行なえるため、航続距離にはほとんど影響が出ない」(野正氏)とのことだ。