JR各社、春の臨時列車…北陸新幹線の増発や臨時『北斗星』運転

鉄道 企業動向
JRの今春の臨時列車では、新たに延伸開業する北陸新幹線の増発などが注目される
  • JRの今春の臨時列車では、新たに延伸開業する北陸新幹線の増発などが注目される
  • 寝台特急『北斗星』はダイヤ改正に伴い廃止されるが、8月下旬頃までは臨時列車として運転される。
  • 大阪~札幌間の寝台特急『トワイライトエクスプレス』は3月12日発の列車をもって運転を終了する

JR各社は3月1日から6月30日にかけて、春季の臨時列車を多数運転する。3月14日に延伸開業する北陸新幹線の増発や、同日のダイヤ改正で定期運転を終了する寝台特急『北斗星』の臨時列車などが注目。『トワイライトエクスプレス』は3月12日発の列車をもって姿を消す。

【新幹線】
北陸新幹線は、3月14日の長野~金沢間延伸開業以降、6月30日まで毎日3往復程度の臨時『かがやき』を運転。3月14・15日には1日7往復、ゴールデンウィーク期間には1日8往復を運転する。平日の朝方には、上越妙高~長野間で臨時『はくたか』を2本運転。このほか、7年に一度開催される善光寺(長野市)の御開帳にあわせ、東京~長野間で臨時『あさま』、金沢~長野間で臨時『はくたか』を運転する。

3月14日から最高速度を285km/hにアップする東海道新幹線は、期間内に前年より2%多い4万2775本を運転。山陽新幹線では『のぞみ』『みずほ』『さくら』『ひかり』を合わせ、期間内に計1501本を増発する。九州新幹線も『みずほ』『さくら』を新大阪~鹿児島中央間で計153本、博多~熊本・鹿児島中央間で『さくら』『つばめ』を計211本増発する。東北・山形・秋田新幹線は期間内に計748本、上越新幹線では計584本の臨時列車を運転する。

【在来線】
■JR東日本
3月14日で定期運行を終了する上野~札幌間の寝台特急『北斗星』は、4月2日から臨時列車として運転を開始。毎週日・火・金曜日が札幌発、月・木曜日が上野発で、毎週水曜日と5月3~6日、6月10~12日の間は運転しない。

寝台特急『カシオペア』は期間内の毎週木曜日と5月3・4日を除き運転する。夜行列車ではこのほか、東京~大垣間の快速『ムーンライトながら』を3月20~29日に、新宿発白馬行きの『ムーンライト信州81号』を3月13・20・27日と5月1・2日に運転する。

3月14日のダイヤ改正で運行を開始する「上野東京ライン」を経由する臨時列車も各種運転。常磐線我孫子~伊豆急下田間では185系を使用した特急『踊り子161・162号』を3月21日以降の週末に、大船~鬼怒川温泉間では253系を使用した『きぬがわ92・93号』を運転する。『踊り子』は4月以降、下り(161号)を土曜、上り(162号)を日曜に運転。『きぬがわ』は下り(93号)を4月11・18日と6月6・13日、上り(92号)を4月12・19日と6月7・14日に運転する。このほか、651系によるいわき~鎌倉間の急行『ぶらり横浜・鎌倉号』も運転する。

3月14日から第三セクターのしなの鉄道とえちごトキめき鉄道に移管される信越本線長野~直江津間では、3月1・7・8日に189系電車による快速『ありがとう信越線』を運転。1・8日はかつての特急『あさま』色、7日は国鉄色の車両で運転する。また、3月1・7~12日には横須賀色の115系による快速『信越線スイッチバック号』も運転する。

福島県内の各路線では「福島デスティネーションキャンペーン」に合わせたSL列車を運転。郡山~会津若松間ではD51形蒸気機関車がけん引する『福が満開ふくしま号』を4月18・19日に運転するほか、5月には新潟~会津若松間でC61形蒸気機関車けん引による『C61ばんえつ物語』も走る。

飯山線では、観光列車『おいこっと』が4月4日から運転を開始。快速として週末や連休期間などに長野~十日町間を走る。

このほか、特急『成田エクスプレス』の河口湖・横須賀への延長運転や、花見の時期に合わせた臨時列車の運転、大型連休期間中の特急列車増発などが各地で行われる。

■JR西日本
大阪~札幌間を結ぶ寝台特急『トワイライトエクスプレス』は、大阪発・札幌発ともに3月12日の列車をもって運転を終了する。

北陸新幹線の延伸開業に伴い、金沢~富山間の運転がなくなる特急『サンダーバード』は、3月14日以降の期間内に計95本を増発。『ビジネスサンダーバード』も計19本増発する。金沢~米原間を結ぶ臨時の特急『しらさぎ』は、大型連休期間中に10本を運転。全列車が金沢で北陸新幹線に接続する。ダイヤ改正から新たに福井~金沢間で運転する特急『ダイナスター』の臨時列車は、期間内に計16本を運転する。

このほか、春休みや大型連休の期間中に関西空港~京都間の特急『はるか』を計276本、大阪方面と南紀方面を結ぶ特急『くろしお』を計19本増発。在来線の臨時特急列車は計484本となる。

■JR東海
大型連休期間や週末を中心に、臨時特急・急行を計318本運転。名古屋~松本・白馬間では臨時の『しなの』を大型連休期間と5~6月の週末に運転する。名古屋~高山間の臨時『ひだ』は3月の週末と大型連休期間に運転するほか、岐阜県飛騨市で開催される「古川祭」に合わせ、4月19日に運転する名古屋~高山間の『ひだ15号』を飛騨古川まで延長する。名古屋~紀伊勝浦間では、3月の週末と大型連休期間に『南紀』の臨時列車を運転する。

快速・普通列車では、名古屋~伊勢市間では快速『みえ』を土休日に増発。名古屋~塩尻間では期間内の9日間、快速『ナイスホリデー木曽路』を運転する。このほか、高山線では「古川祭」に合わせた臨時普通列車を計5本運転する。

■JR北海道
寝台特急『トワイライトエクスプレス』の運行終了や、函館本線で運転していた『SL函館大沼号』の休止により、期間内の臨時列車は前年同期に比べ415本減り、計480本となった。

冬期から網走~知床斜里間で運転している『流氷ノロッコ号』、釧路~標茶間の『SL・DL冬の湿原号』は3月8日まで。春は4月から釧路~塘路間で『くしろ湿原ノロッコ号』、6月からは旭川~富良野、富良野~美瑛間で『富良野・美瑛ノロッコ号』を運転する。札幌~富良野間ではリゾート車両を使用した特急『フラノラベンダーエクスプレス』を6月の週末を中心に運転する。

このほか、札幌~旭川間の特急『旭山動物園号』は3月21~29日と4月4・5日に運転。函館~青森・新青森間の臨時特急『白鳥』は5月の大型連休期間を中心に運転する。

■JR四国
人気のトロッコ列車を土讃線と予土線で運転するほか、0系新幹線風の気動車「鉄道ホビートレイン」の臨時列車を運転する。

土讃線のトロッコ列車は、琴平~大歩危間で「秘境駅」として知られる坪尻駅に停車する『絶景!秘境トロッコ』を3月21日~5月31日までの土・日・祝日に1日1往復運転。予土線窪川~宇和島間では、3月14日から『しまんトロッコ号』を運転する。同列車は今回からトロッコ乗車区間を土佐大正~宇和島間に延長する。

「鉄道ホビートレイン」は、予土線の宇和島~江川崎間で3月21日以降の週末などに1日1往復運転する。同列車の運転に伴い、宇和島~近永間では普通列車2本が運休する。

このほか、特急『うずしお』『剣山』への「ゆうゆうアンパンマンカー」増結や、5月1~6日には他の多客期同様、特急『しおかぜ』『いしづち』の併結運転を行わず、『しおかぜ』を8両編成で岡山まで運転する。

■JR九州
春休みと大型連休期間を中心に特急列車を増発する。4月24日~5月6日の大型連休期間中は、在来線特急列車を計261本増発する。

日豊本線では小倉~大分間で『ソニック』『にちりん』を計53本増発。5月5・6日には柳ケ浦発博多行きの『官兵衛きらめき』を運転する。

長崎本線・佐世保線では『かもめ』を博多~長崎間で43本、博多~佐賀間で16本増発。4月30~5月5日にかけては、博多~早岐・佐世保間で『有田陶器市みどり』を28本、5月6日には『九十九島みどり』を博多~佐世保間で4本運転する。博多~ハウステンボス間の『ハウステンボス』は640本を増発する。

《小佐野カゲトシ@RailPlanet》

【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース

特集