北陸の新たな玄関口・新幹線金沢駅…ディテールやデザインを見る

鉄道 企業動向
まもなく開業する北陸新幹線の金沢駅。北陸の新たな玄関口となる
  • まもなく開業する北陸新幹線の金沢駅。北陸の新たな玄関口となる
  • 金沢駅12番線に入線するW7系。列車が入線することで「加賀五彩」が完成するのだという
  • 改札口を入ると中2階へと上る階段・エスカレーターがある
  • 中2階の壁を飾る加賀友禅。中央の発車案内ディスプレイ下には和紙をあしらっている
  • 中2階の壁を飾る加賀友禅。兼六園の花鳥風月を表現している
  • 中2階の壁を飾る加賀友禅。アケビを通じて四季の移ろいを表現している
  • 待合室。壁は石川県産の能登ヒバを使用している。壁には小さな丸穴があり、この中に九谷焼や輪島塗など地元の工芸品が展示されている
  • 待合室の壁には小さな丸穴があり、この中に九谷焼や輪島塗など地元の工芸品が展示されている

いよいよ開業が近づいてきた北陸新幹線長野~金沢間。新たなターミナルとなる新幹線の金沢駅には「加賀百万石」の城下町らしく、工夫を凝らしたデザインが施されている。このほど行われた報道関係者向け試乗会の際に、北陸の新たな玄関口の様子を観察してみた。

金沢駅の新幹線改札口は、3月の新幹線開業と同時に「兼六園口(東口)」と名称を改める予定の東口寄りに位置する。駅は1階の改札口と、在来線乗換改札や待合室のある中2階、そしてホームの3層構造となっている。

改札から正面の階段を使って中2階に上ると、最初に目に飛び込んでくるのは加賀友禅と和紙で飾られた正面の壁だ。青を基調とした左側の友禅には兼六園の花鳥風月、赤を基調とした右側の友禅にはアケビを通じた四季の移ろいが表現されているという。青・赤の色彩は、それぞれ男性用・女性用のトイレを示す目印にもなっている。

改札口側から見て左手には待合室がある。室内の壁は石川県産の能登ヒバで仕上げられ、壁にある直径13cmの小さな丸穴の中に、九谷焼や輪島塗など石川県の伝統的工芸品を飾ってあるという凝った造りだ。中2階の待合室のほか、ホーム待合室にも同様の工夫が凝らされており、全30品目・236点の作品が展示されている。一つ一つの作品を見て過ごしていれば、列車の待ち時間も退屈することはないだろう。

待合室の反対側、右手には在来線との連絡改札がある。3月14日の開業まで一般利用者の目に触れることのない部分だけに、案内表示には新幹線開業と同時に北陸本線金沢~倶利伽羅間を引き継ぐ第三セクター鉄道「IRいしかわ鉄道」の名前も既に見られた。

ホームは島式2面4線の配置で、西側から11~14番線となる。屋根は中央部がドーム状となっており、側面の窓ガラスから入る日差しが広がる明るいホームだ。上屋を支える60本の柱の上部には金箔による飾りが施されており、使用した金箔は計2万枚以上という。

可動式ホーム柵(ホームドア)は全ホームに完備。ドアの色は加賀友禅の「加賀五彩」にちなみ、11番線は臙脂、12番線は黄土色、13番線は古代紫、14番線は草色と、各ホームで違う色に彩られている。ドアに使われているのは「五彩」の5色のうち4色のみだが、JRの広報担当者によると、このホームに停車するE7系・W7系の青い塗装が五彩のもう一色である「藍色」となり、列車が入線することで「五彩」が完成するという狙いがあるという。

東京~金沢間を最速2時間28分で結び、これまで時間的にはやや遠い印象だった首都圏と北陸を結びつける北陸新幹線。加賀の伝統に彩られた真新しい駅が乗客を迎えるのはもうすぐだ。

《小佐野カゲトシ@RailPlanet》

【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース

特集