出光、昭和シェルを買収か…財務基盤強化で生き残りかける

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出光興産(イメージ)
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  • 昭和シェル石油・公式ウェブサイト
  • 資源エネルギー庁が2014年2月に発表した「石油産業の現状と課題」
  • 資源エネルギー庁が2014年2月に発表した「石油産業の現状と課題」
  • 資源エネルギー庁が2014年2月に発表した「石油産業の現状と課題」
  • 資源エネルギー庁が2014年2月に発表した「石油産業の現状と課題」

12月20日、石油元売り大手の出光興産が、昭和シェル石油の買収に向けて交渉していることを複数の報道機関が伝えた。2015年度前半までに株式公開買い付け(TOB)をおこない、子会社化をめざす。

2013年度決算によれば、出光はJX日鉱日石ホールディングス(売上高10.7兆円)に次ぐ約5兆円の売上で業界2位。一方昭和シェル石油は約3兆円で、両社の合併が成立すれば売上高8兆円超となり、JXホールディングスに次ぐ巨大石油元売り事業者が生まれる。

昭和シェルは、エクソンモービルと共に世界トップシェアを争っているオランダのロイヤル・ダッチ・シェル子会社であるザ・シェル・ペトロリウム・カンパニー・リミテッドが同社株式の33.4%を保有しており、大株主である同社の動向も注目される。

資源エネルギー庁が2014年2月に発表した「石油産業の現状と課題」によれば、日本の石油精製元売業は、日本のGDPの約5%(2012年度末で24兆円)を占める巨大産業。ただし、震災以後、ガソリン等石油製品の精製・販売は収益悪化から脱却できておらず、海外の石油メジャーと比較して日本国内の石油元売りは収益基盤が不安定とも指摘されていた。

海外事業の強化や新エネルギー対策のために収益基盤の強化が急務とされているものの、成長分野に向けた投資を支える財務基盤を構築することは容易でないというのが現状。今回の出光による買収報道は、この状況打開のため、世界市場での生き残りをかけた一手と考えられる。

《レスポンス編集部》

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