JR西日本、D51の本線運転を復活へ…梅小路の200号機を修繕

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梅小路蒸気機関車館で動態保存されているD51 200。2017年度以降の本線運転復活を目指す。
  • 梅小路蒸気機関車館で動態保存されているD51 200。2017年度以降の本線運転復活を目指す。
  • 梅小路蒸気機関車館(京都鉄道博物館)のイメージ。梅小路蒸気機関車館(右上)に隣接する梅小路運転区内に専用検修庫(左下)を整備する。

梅小路蒸気機関車館(京都市下京区)の運営やSL列車『SLやまぐち』の運行など蒸気機関車の動態保存を行っているJR西日本は10月17日、「持続的なSL動態保存の体制」を整備すると発表した。大がかりな検査に対応した設備を整備するとともに、梅小路で保存しているD51形蒸気機関車2両のうちD51 200を修繕し、本線運転を復活させる。

同社によると、蒸気機関車の動態保存は車両の老朽化など多くの課題を抱えていることから「今後少なくとも数十年程度は安定的にSL動態保存が継続できる体制」を整備することにし、その一環として蒸気機関車の解体検査に特化した専用検修庫を梅小路運転区内に整備する。

JR西日本は蒸気機関車の解体検査を旧・鷹取工場で実施していたが、阪神淡路大震災後、鷹取工場を網干総合車両所に移転したのに伴い、蒸気機関車の検修業務は梅小路蒸気機関車館に隣接する梅小路運転区に移管した。梅小路運転区では軽微な検査しかできず、解体検査などを行うためには設備の増強が必要になっていた。

専用検修庫の建築面積は869.25平方m。2階建てで延床面積は984.16平方mとなり、このうち検修場の面積は765平方mになる。ボイラー検修場や天井クレーンなどの大型設備を設けて解体検査に対応する。ペデストリアンデッキも設け、梅小路蒸気機関車館を拡張する形で整備される京都鉄道博物館(2016年春オープン)との一体運用を図る。

D51 200は1938年、国鉄浜松工場で製造。現在は梅小路蒸気機関車館で動態保存されているが、営業路線で運転するために必要となる検査を受けていないため、同館の構内運転列車『SLスチーム号』のけん引機として使われている。JR西日本は2005年度から大規模修繕を実施してきたC57形蒸気機関車(C57 1)に続き、D51 200も大規模修繕と本線運転用の改造を実施。2017年度以降、C56形蒸気機関車に代わりSL列車『SLやまぐち』『SL北びわこ』のけん引機として使用する。

梅小路蒸気機関車館ではD51 200のほかD51のトップナンバー機であるD51 1も保存されているが、現在は静態保存されている。

《草町義和》

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