JR西日本、能登半島に「和と美」の観光特急…来年10月から運転へ

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2015年10月から運転を開始する予定の「七尾線観光列車」の現時点でのイメージ。キハ48形気動車2両を改造して投入する。
  • 2015年10月から運転を開始する予定の「七尾線観光列車」の現時点でのイメージ。キハ48形気動車2両を改造して投入する。
  • 1号車の現時点での客室イメージ。赤と黒を基調とした座席を設ける。
  • 1号車の現時点でのレイアウトイメージ。座席は28席設ける。イベントスペースや大型モニターも設置し、車内でパフォーマンスを行う予定。
  • 2号車の現時点での客室イメージ。北陸の温泉文化を表現する。
  • 2号車の現時点でのレイアウトイメージ。和風個室を設けるほか「おもてなしの空間」として出入口付近のスペースを広く取り、車内販売を行う。

JR西日本は7月7日、能登半島方面の金沢(金沢市)~和倉温泉(石川県七尾市)間で「七尾線観光列車」を運転すると発表した。JRの大型観光キャンペーン「北陸デスティネーションキャンペーン(北陸DC)」にあわせ、2015年10月から運転を開始する。

車両はキハ48形を改造した2両編成(定員52人)を使用。近畿日本鉄道(近鉄)の観光特急『しまかぜ』で運用されている50000系をデザインした山内陸平さんと井上昭二さんらがデザインを担当する。車体は「和と美」を表現し、北陸の伝統工芸である輪島塗や加賀友禅をイメージしたデザインにする。

1号車(28席)は赤と黒を基調とした座席を設け、車内は金沢金ぱくや輪島塗などを活用した装飾を施す。さらにイベントスペースや大型モニターを設置し、車内でパフォーマンスを行う予定だ。一方、2号車(24席)は北陸の温泉文化を表現し、和風個室を設置。「おもてなしの空間」として出入口付近のスペースを広く取り、車内販売を行う。

運転開始は2015年10月の予定。土曜・休日や多客期を中心に年間約150日運転する。特急列車として金沢~和倉温泉間を1日2往復運転し、途中、羽咋・七尾両駅に停車する。これに伴い、和倉温泉駅の駅名標やトイレ、コンコース、手すり、点字ブロックなどの改修も行う予定だ。

現在の金沢~和倉温泉間は、津幡駅を境に金沢方が北陸本線、和倉温泉方が七尾線となっており、北陸本線の『サンダーバード』など一部の特急列車が七尾線に乗り入れて和倉温泉駅まで運転されている。このうち北陸本線金沢~津幡間は、2015年春の北陸新幹線延伸開業にあわせて第三セクターのIRいしかわ鉄道に移管されるため、金沢~和倉温泉間を結ぶ列車はIRいしかわ鉄道とJR七尾線を走ることになる。

JR西日本は「北陸新幹線の開業効果の最大化、持続・定着化、および地域全体への効果の波及を図るため、このたびの観光列車は北陸を代表する観光列車にしていきたいと考えています」としている。

《草町義和》

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