女性レーシングドライバーとして唯一、WEC世界耐久選手権およびル・マン24時間耐久レースに参戦する井原慶子さん。22日、井原さんはBMWジャパンから「BMW i アンバサダー」に任命された。レーサーとして、女性として「BMW i」ブランド第1号である小型EV『i3』をどう見るのか。質問をぶつけてみた。
鋼製ボディとの感覚の違いは?
「高速コーナーを曲がるとクルマの感じがわかるのですが、鋼製ボディのクルマは少しフニャっとしたり、どこかがガタガタして不安になります。しかし、i3はCFRPフレームのためガッチリとしていて不安がなく曲がれ、何より安心感を強く感じます。一度乗ってしまうと鋼製フレームには戻れないですね」。
つまり、接地感がつかみやすい?
「もともとBMW車自体がすごく接地感がつかみやすいのですが(笑)、i3はカーボンフレームの下にバッテリーを敷き詰める構造になっているので重心が低く、そのおかげでより接地感をつかみやすいんですね。そして、重心がクルマの中央に寄っているので、クルマの動きがドライバーの感覚に近いんです」。
例えばi3がレーシングマシンのようにカーボンモノコックボディだったら?
「ボディがしならなくなってしまい、コーナーを曲がりきれなくなります。カーボンは非常に丈夫なので安心感はあるのですが、だからといってカーボンモノコックにすればいいと言う訳ではありません(笑)。i3はカーボンの張り合わせ方が絶妙で、その部分で適度にしなるようになっています。BMWのそのバランスの設計が非常にすばらしいですね」。
マニュアルトランスミッションがあればよりドライブが楽しくなりますか?
「そもそもi3にMTの必要性を感じません。というのも、アクセルを踏んだ瞬間のレスポンスと加速が非常に良く、刺激的です。しかもi3は、スポーツキットを組み込んだ他のEVと比べても加速力が際立っています。おそらく誰が乗っても、ゴーカートに乗ったときのような楽しさを感じると思います」。
ワインディングでの走りはエンジン車に比べてどうでしょう?
「i3のほうが断然楽しいです。モーターのレスポンス、キビキビとしたハンドリング、さらに安心感がプラスされるため、心にも余裕が持てます」
水素自動車とEV。最後に生き残るのは?
「もちろんEVです。現代のエネルギーのコントロールはほとんどが電気で行なわれているため身近ですし、水素よりも取り扱いが安全です。加えて、i3は今のEVの完成形と言ってもいいでしょう」。