ドイツの高級車メーカー、アウディは5月8日、オーストリアで開幕した「第35回国際ウィーン自動車シンポジウム」において、最新世代の「3.0TDI」エンジンを発表した。
3.0TDIは、アウディの主力ディーゼルエンジンのひとつ。今回発表された最新世代バージョンでは、パワーを引き上げつつ、燃費や排出ガス性能などの環境性能を、いっそう高めているのが特徴。
最新世代の3.0TDIでは、ピストンのリングとピンを、抵抗を最小限に抑えるように改良。クランクケースと新設計のシリンダーヘッドが、冷却用ループを隔てる。ターボチャージャーとオイルポンプも改良。自動車用ディーゼルエンジンとしては初めて、NOx触媒コンバーターをDPF(ディーゼル・パティキュレート・フィルター)とSCRインジェクションと、一体設計することに成功した。
2967ccの排気量を備えた直噴V型6気筒ターボディーゼルは、最大出力は218psと272psの2仕様があり、ともに最大トルクは61.2kgmを引き出す。アウディによると、従来よりもパワフルでありながら、燃費はおよそ13%向上しているという。
また、排出ガス性能は、2014年9月に欧州市場に導入予定のユーロ6に適合。アウディは、「CO2排出量は従来比で、平均15g/km改善した」と説明している。