【フォード フィエスタ 試乗】サイズ感とスタイルに恋しても不思議ではない一台…飯田裕子

試乗記 輸入車
フォード・フィエスタ「1.0 EcoBoost」
  • フォード・フィエスタ「1.0 EcoBoost」
  • フォード・フィエスタ「1.0 Ecoboost」
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『フォーカス』より小ぶりなコンパクトハッチの『フィエスタ』。個性や質感、そしてサイズを超えた存在感を持つデザインの好感度はとても高い。そんなスタイルやインテリアを持つフィエスタからどんな走りを想像するだろう?

試乗を終えた私の感想を率直に言えば想像とは少し異なるものだった。ちなみに路面コンディションは雪こそ降られなかったものの冷たい雨が降ったあとのウエットコンディションだった。

ステアフィールは低速から速度が増すごとにしっかり感が増していく。その変化の自然さからは扱いやすさが伝わってくるようだった。乗り心地は硬めでフラットライドな印象だ。そんなフィエスタを山岳路へと連れ出すとハンドリングはステアリングを切り込むと素早く反応するクイクイ系だとわかる。ゆっくりとハンドルを切り込むようなシーンではボディのサイズ感も活かされた手の内に収まる=イージー・コントロール感を抱いた。

が、ステアリングを切り込む速度が増すと手応えが少々乏しく、サスペンションもフラットライドな印象がそのままのため、しなやかではない。良く曲がるようだけれど手応えに少々物足りなさを感じなくもない、という点が私のイメージするフォードのFFのコンパクトハッチとは異なるところだった。もちろん路面状況やタイヤチョイス、もっとガンガンと走らせることのできる環境下では変わるかもしれないが…。

1リットルエコブーストエンジンの力強さや頼もしさは想像以上だった。アクセルを踏み込んでいくと6ATによる確実なトルクの増幅やスピード感も満足度は高い。走行中、エンジン音は低めに聞こえてくるが、ジャマにはならずむしろフィエスタの雰囲気にはちょうどよい効果音とも思えた。ドライビングポジションも取りやすく、後席のスペースもリヤシートの座面の奥行で少々短めだが十分な広さであり、ラゲッジはこのボディサイズにして十分。さらにラゲッジフロアが2段になっている点はアレンジもしやすく使いやすそうだ。

同クラスのモデルと比べ価格が少々高めではあるが、ナビゲーションシステム以外の先進技術を採用する安全性や快適装備はほぼフル装備。装備されているようでパッケージオプション設定となる他メーカーとは異なる。キネティックデザインを採用するエクステリアでも日本仕様にはフロント、サイド、リヤのボディキットや大型のリヤスポイラーも標準装備。そんなエクステリアと共にインテリアには個性や先進性が感じられ、他にはない存在感は十分。サイズ感とこのスタイルに恋しても不思議ではない一台だと思う。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★★

飯田裕子|自動車ジャーナリスト協会会員
自動車メーカーでOLをした後、フリーの自動車ジャーナリストとして駆け出し、そのキャリアは10年以上。現在の仕事を本格的に始めるきっかけは、OL時代に弟(レーサー:飯田章)と一緒に始めたレース。その後、女性にもわかりやすいCar & Lifeの紹介ができるジャーナリストを目指す。独自の視点は『人とクルマと生活』。安全とエコの啓蒙活動にも積極的に取り組んでおり、ドライビングインストラクターとしての経験も10年以上になる。現在は雑誌、ラジオ、TVなど様々なメディアで様々なクルマ、またはクルマとの付き合い方を紹介するほか、ドライビングスクールのインストラクター、シンポジウムのパネリストやトークショーなど、活動の場は幅広い。

《飯田裕子》

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