東京モーターショーで話題となったスズキの新型軽自動車『ハスラー』。52馬力の自然吸気仕様は、普段使いで十分な性能を持っていた。
ハスラーは『ワゴンR』と同じパワートレインを採用するので、予想はしていたが自然吸気エンジンであっても実用上なんら問題のない性能を持っていることを確認できた。試乗コースが海沿いの平坦な地形だったので条件はいいが、それでも十分な性能は確認できた。
軽自動車で不愉快なのが加速時にエンジン回転が高くなり、エンジンがフル稼働しているような印象を受けることだが、ハスラーの(というより多くのスズキの軽自動車の)ATは副変速機付きのため、加速時にやたらとエンジン回転数が上がるようなことはなく、そうした不愉快感がないのもいいところ。
タイヤ外径が大きいこともあり、乗り心地はゆったりと落ち着いたものとなっている。タイヤは外径が小さければ小さいほど、路面の不整に影響を受ける。ハスラーはタイヤサイズを165/60R15とワゴンRよりもひとまわり大きいので、路面の小さな不整などを拾わず、1クラス上の乗り心地を実現しているのだ。
逆にタイヤが大きくなれば、それだけ室内を圧迫してしまうが、ハスラーではそうしたネガな部分を感じることもない。限られた寸法で作られる軽自動車だが、リヤシートの広々感などは十分だ。
メーター内に展開されるアイコンのアニメーションなど、遊びの部分もたっぷり。こうした遊びは日本の、それも軽自動車が得意な分野。ある意味、オリジナリティあふれる文化ともいえる。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★
諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活躍中。趣味は料理。