国交相、岩泉線の廃止日繰り上げを容認…4月1日廃止へ

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岩泉線の終点・岩泉駅で発車を待つ普通列車(2006年9月)。2010年7月から土砂災害による運休が続いているが、4月1日の廃止がほぼ決まった。
  • 岩泉線の終点・岩泉駅で発車を待つ普通列車(2006年9月)。2010年7月から土砂災害による運休が続いているが、4月1日の廃止がほぼ決まった。
  • 土砂災害で運休が続く岩泉線の終点・岩泉駅(2006年9月)。当初は11月9日の廃止が予定されていたが、このほど廃止日を4月1日に繰り上げることがほぼ決まった。

国土交通大臣は1月7日、JR東日本が届け出ていた岩泉線の鉄道事業の廃止について、廃止日の繰り上げを認めた。これにより同線は4月1日に廃止されることがほぼ決まった。

岩泉線は、山田線の茂市駅(岩手県宮古市)から分岐して岩泉駅(岩泉町)に至る、38.4kmのローカル線。2010年7月31日、土砂崩れによる脱線事故が発生して全線が不通となっており、現在はバスによる代行輸送が実施されている。

JR東日本は2012年3月30日、復旧に約130億円の費用がかかること、1日1kmあたりの平均通過人員(輸送密度)が運休前の2009年度で46人と極めて少ないことから、同線を廃止する方針を発表。これに反発した岩手県や沿線の宮古市、岩泉町との協議が難航したが、JR東日本が並行する国道340号の改良に協力する意向を示したことから、沿線自治体も岩泉線の廃止に同意。これを受けてJR東日本は2013年11月8日、岩泉線の廃止を届け出た。

鉄道事業法では、鉄道事業を廃止する場合は廃止予定日の1年前までに届け出なければならないとしており、岩泉線の廃止日も当初の届出では1年後の今年11月9日としていた。しかし、廃止を届け出た時点で沿線自治体が廃止に同意しており、2013年12月19日に行われた鉄道事業法に基づく意見聴取でも、関係各者が廃止日の繰り上げを求めたことから、国交相はJR東日本に対し「意見聴取の結果、廃止の日を平成26年4月1日に繰り上げたとしても公衆の利便を阻害するおそれがないと認める。」と通知した。

これを受けてJR東日本は、岩泉線の廃止日を4月1日に繰り上げる届出を提出する方針。現在の代行バス輸送は3月31日限りで運行を終了し、翌4月1日から正式な路線バスに転換することになる。

《草町義和》

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